8月 09, 2022

患者が流れてきた、、まあウチから行くケースもあるだろうけど

 


日本全国の限られた歯科医院には、THPなるトータルヘルスプログラムというシステムがあるらしく、(まあ、以前からあり、違う名前で公正取引委員会から注意勧告を受けていた物と同じかな)。北欧式とかあるが、北欧の大学の論文をあらかた調べたが見つけられなかった。全国、何何県ででは初めての認定医院、、と書かれているが、歯科医学会が認定しているわけでは無い。

そういう所から友人の歯科医院に、不定愁訴満載で流れてきた患者さん。患者曰く「魅惑的な夢のような広告」につい引かれ、あるいは他では(首都圏事例)、何かわからないうちにかなりの金額を支払い(混合診療なのかな?)サブスクのように含嗽剤を購入。今回のケースでは、1年ほど経過したが何か全く話が違うと、実は出戻って(笑)相談したと言うことらしい。

システム自体に異論は無いが、これ、保険診療でキチンと出来る事ばかり。細菌検査は必要なら行えば良い。薬物療法も必要なら行えば良い。何が普通の歯周病治療と違うか色々調べてみると秘密の「機能水」の存在が(笑)。20年以上前からこの手の「機能水」なる物はあり、当時は機能酸性水」からはじまり、「機能還元水」や「機能中性水」とか、まあ、電離水の類い。電解塩素イオンによる強い殺菌作用があることはその通りだが、作るのは機械を除けば殆どただなのでウチでは「機能中性水」は薬剤過敏の方に無料であげている(入れ物持参)。

この中で、活性酸素の云々が絶対出てくるんだが、よく考えてほしいのは、活性酸素から電子が飛び出し強い殺菌効果を出すためには、かなりの量のO2が必要なのだ。そもそもうがいを前提にした口腔内にはそんなものは多量にない。だからスーパーオキシドラジカルによる強い殺菌効果、果てはバイオフィルムまで破壊する、、なんて文言は嘘に決まっている。活性酸素フリーラジカルに関しては様々な研究が沢山あるので色々調べてみた。(自分のも含めて(笑))

さて、何でこういうシステムが重宝(?)されるのかの、そもそもを考えてみると、医院の差別化はもちろんだが、実は保険診療で当たり前にキチンと歯周治療を行っていない歯科医院が多過ぎるのだという実態に直面する。私の知る限りでも、歯科全体の1/4位がまともな歯周処置を行っているが、他は経営的な問題や採算が取れない、衛生士が確保できない、等などの理由でまともに取り組んでいないようだ。だからこう言うシステムの入り込む隙がある。やはりこう言うのはどこまで行っても患者不在の環境を作った歯科医師の責任なのだ。

そして、信じる物は救われるのだから、壺を買って歯周病を克服しよう!と同じロジックで、患者が色々な物を買う事に、全く違和感を覚えなくなるのも誰が悪いわけではない。そういう環境やシステムを作っただけの話なのだろう。

いつの時代も、物の所為にしがちで、これは核を含む武器の話にもなりそうだが、武器が悪いと言う理論は、人の暗黒面を隠す絶好の材料で、後で極悪兵器を作ったその人が反省したりして大笑いである。悪いのは人間の作るシステムなのだ。歯科だろうが社会だろうが戦争だろうが、ホモサピエンスがここまで生き残ってきた最大の暗黒面は本能闘争であり、その暗黒面を理解しない限り歴史は終わってしまうのと同じように、この手の歯科的トラブルもまた、背景の人々を理解し許容しない限り永遠と続くだろう。

ちなみに当院もまた、現症なら「パンパンに喉まで腫れた」明らかな蜂窩織炎の患者が、似たようなプログラムから抜け出て流れて来たが、その医院の優先順位が違うためにかなりの症状まで進んでしまったようだ。ウチでは当然勿論オーバーブック。他の患者さん達はアポイント時間どころじゃ無く待ち時間が増える。まあ、後医は名医と言われるのは嫌なので気をつけて抗生剤点滴4日間で何とか回復。この人のために自分の時間を割いて待ってくれた「お互い様」と理解しているの多くの素晴らしい社会的な患者には感謝なのだ。

私は、しがない、何でもできる頼まれたら断れないGP(笑)なんだと改めて考えてしまった次第。そんなウチから、こんな何でもありの現場の煩雑さに辛抱たまらず、口コミでさんざん悪態ついて(笑)綺麗に整理整頓された場所に憧れ流れ散った患者さん達もいるだろうから、宜しくお願いいたしますね。


8月 03, 2022

最近考える時間が無くなってきた

 何だろう。愚痴だな、これは(笑)。


最近思考する時間が極端に減ってきた。そして、その考えの基になる例えば本だが、、本の読み方はあい変わらず切り口を別にしないと作者の本当の意志がわからないと考えて、人とは違った読み方をするようには心がけていて、ちゃんと読めとか言われて(笑)実は影で薄笑いしているだろう。しかしそういう読み方しか出来ないからそうなんだよとね。実はこうだろうとね(笑)。作者の意図と対象の意図ははそういうものだと思う。真意はそこじゃ無いだろと言うこと。これは譲れない。そういえば遙か昔理数科時代、数少ない現国の授業で作者の意図に関して教師と言い争った(笑)。

60歳を3年ほど過ぎて、急に体に異変が起きてきたことも原因の一つか。まず、目が見えない(笑)飛蚊症でイライラする。このストレスはかなりの物で、なった人じゃないとわからないかも。なんか、頑張って購入した超LEDの高価な(笑)ものすごい明るいオペ用無影灯が原因じゃないかと密かに思っている。オペが終わり、無影灯外に目をそらすとクラクラチカチカするからだ。そしてオペの数は昨年の一年分を今年は半年でクリアしている。私はGPだからこれでも相当頑張っているのだが体が持たない。そうか、サングラス(爆)。それから背中が痛い。朝起きると背中が痛い。良くない兆候だろうと毎年PET検査するが異常は無い(笑)。それから歯が痛い。#24と#25のアピカルにデカい鶏卵大cystがある。もう10年くらいになるが放置してあり、気分が悪い時は痛む(笑)。

そして、人生の基本になる学問だが、ヒポクラテスは「学は長いが人生は短い」とおっしゃった。まさしくだ。仕事関係なら、最近の商業誌ですら流し読みで、キチンと読み込んでいないのを考えると、20年ほど前なら歯界展望やクイントの何月号の何ページにこういうことが書いてありますよ、、とHERZ会なんかのミーティングでもすぐに出てきた。学会で質問しても、歯科評論の何月号に出ていた写真ですよね、なんでまるで違うことを言ってるんですか?と超偉い先生に小さな喧嘩も売っていた(笑)。考えていたからだ。

思考と知識が増すと、カテゴリーは多岐にわたってきて、思考回路も全てにリンクしなければ納得出来なくなっていたのもついこの間までなのか。良いのか悪いのか、ぼーっとする時間も増えてきた。テレビや動画を見ているようで実は何も見ていない。こういう書き込みも段々面倒になってきている。皆好きにすれば良いじゃんと投げやりにもなってくる。これ、70名以上のスタッフを抱える院長としてダメですわね。

しかし、サヨク特有の自虐ロジックに走ると何も解決しないばかりか、自分のことは棚に上げて、全て回りの所為、人の所為になってくるから、ポジティブに年をとったのかと納得することにしている。考える時間の減少は、神がそうした方が良いのでは?との一つのベクトルなのだと理解するべきなのだろう。そして思考に最も大切な物は、「だからダメだ」「だから出来ない」では楽をしたい大脳の思うつぼ。「どうすればダメじゃないか」「どうすれば出来るか」という方向こそ思考を簡単に快適化する一つの方法だと思っている。絶対ハンターーーいが最も短絡的で、思考が停止する。情報すら受け取る隙が無くなる。

で、、思うが、、、さて、今晩はどんな酒を飲んでやろうか(笑)。