12月 31, 2024

今年も色々お世話になりました

 本日大晦日。私の関係諸氏には今年も色々大変お世話になりました。年賀状をやめて数年経ちますが、その辺はご容赦の程。

さて、今年を振り返り、何がどうしたと言うことがそれはそれは沢山あった年でした。今年の初めに次男夫婦が歯科医師として八戸に来てくれて、それはもう嬉しい限りです。もし許されるならあと一人ドクターがいれば私はもっとユックリ仕事が出来るのになぁと贅沢なことを考えていますが、実際は10年前ドクターが6人ほどいたときに比較して数倍は働いている自分がいます。しかし、前期高齢者ですからパワーの不足は否めず、夕方16時を過ぎると一気に脱力してくるのでした。

今年一年のノートを振り返ると、今年実現できなかったものにデイサービスの復活があります。人手不足でやむなくクローズしたデイサービスは、またもや来年への課題として残ってしまいました。逆に、計画の中で実現した項目としては、本院や分院の患者マネージメントのアップデートや老人ホームでの今まで以上に食と嚥下とケアに重点を置いた介護形態の実現。しかしこれらはどれもこれも直接収入になるものではなく、今年は10年ぶりくらいに右肩が下がってしまいました。キャッシュフローもこの数年最悪だし(笑)いつ閉院してもおかしくないキャッシュフロー倒産は目前でした。しかし、スタッフ皆の頑張りと根性で何とか乗り切ってきていることは事実でしょう。一日の平均来院患者数は90名ほどですが、歯科医師法19条応召の義務もきちんと守り、食事の間を惜しんででも、突然飛び込んでくる困った難民患者を助けてきました。しかしこれも、直接収入には繋がらないのです。それでも歯科としてのプライドと倫理と道徳を持ってお金には換えがたい日常をひたすら繰り返してきた1年でした。

その、道徳は三段階と言われます。コンサルの口車に乗り道徳破りの歯科医院が多い中(笑笑)是非皆さんも胸に手を当てて考えてみては如何でしょうか。道徳心理学では第一段階として罪を避けるために振る舞う道徳というのがあります。第二段階では、法律やルールに従って道徳的に振る舞うことです。そして最後の段階としては、自分の内なる心の倫理的良心に基づき、己で判断して社会に対して道徳的に振る舞う事です。こんな大切な事を文科省では道徳の授業時間をはずそうとしました。そりゃ世の中声の大きな少数に振り回されるわけです。声の大きい人が大騒ぎすると、そこに耳を奪われ思考停止と洗脳が始まります。それがわかっているので皆漠然と生きる方を選択するでしょう。だから、重要なのはルールに従い一生懸命まじめに生きていれば報われるかもしれないという漠然とした現実を打破することで、ルールは作った人だけが優位になると言う原則を忘れてはいけないわけです。

私たちの仕事の殆どが理不尽だと感じるそのわけは、ルールを作っている役人が優位になるわけですから当たり前です。道徳的倫理観念の背景にある「経験したこともない事をあたかも経験したかのようにルールを作る」人達が優遇される仕組みを現場が変えていかなければ自分たちは絶対に優位にはなれないという言うことですね。

さて、来年に向けて今年の総括がめんどくさい事になりましたが、皆様におかれましても、今年一年を振り返り、そして来年に向けてのポジティブな思考回路でのトライアンドエラーを祈念いたしまして、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。


12月 24, 2024

個別指導の感想をクリスマスイブにおみまいしよう

今回、30数年ぶりにくまさか歯科の個別指導を受けさせていただいた。クリスマスイブの本日、その詳細をおみまいしよう。

新規指導大綱による個別指導の詳細考察は、こちらに書かせていただいたので、まだお読みになっていない方は是非こちらの考察にも目を通してほしい。

12月18日が個別指導当日だった。1週間前に20件の持参カルテの案内があり、前日に10件の持参カルテの案内がある。日程調整は正当な理由があれば指定された調整は出来る。しかし、正当な理由というのが曖昧であることは本省で確認した。死亡とか事故とかはそれにあたるが、正規に診療所営業中(笑)とか言うのはそれにあたらない解釈になっている。私は当日八戸市福祉高齢課の重要会議があったが、個別指導を優先させた。だって、後になればなるほど気づかれするじゃぁないですか。

かつて持参カルテは4日前に15件、前日に15件だったが、成田裁判で裁判長がその理不尽さを同情し改善するよう求め、本省としても仕方なくと言う感じで今の状況になっている。まあ、個別指導のあり方が東北厚生局のA先生のような考え方なら何も心配せずにディスカッションすれば良いのだが、技官次第の解釈や指導、そして人間性が、多くの混乱と恐怖を植え付けられていることは間違いない。特に首都圏では、その数は激減したが、臨床現場の適切な保険歯科医療指導より自身の保身が何よりも大切な技官も散見されるので。

さて、話を戻そう。私の指導内容は、手書きのカルテの所為もあり、煩雑な書き込みと、算定を満たさない要件と、カルテ記載における基本的なルールを遵守していない等が、それなりの数指摘された。治療の医学的流れや根拠は特に指摘されなかったが、この青本通りの算定要件は、当たり前だがとても重要だと思われる。基本診療料はもちろん、医学管理そして在宅関連も、驚くほど多くの算定要件が存在するが、書いてあるのと書いてないのでは雲泥の差があることは間違いない。書いてあったと勘違いしているものもそれなりにあったと思うが、相当頑張って臨床現場で書き込んでいるのも是非見ていてほしいものだと思った。

持参物の話をしよう。今回持参したもので一番膨大だったのが、個人を特定できる日計表だ。平成26年に本省指導監査室と日歯から持参物についての通知が出ている。作っていなくて保存していないものは持参する必要なし、、と言うものだが、これが厚生局と直に電話して一番もめた。厚生局は直近1年分という。これを当院で計算すると、約1800枚以上の印刷が必要となるが、交渉の結果半年分約800枚に収めた。これとて膨大な枚数で、うちでは作成も保存もしていないが、レセコンにデータとしてある以上保存していると解釈するらしい。指導が終わればこの枚数はシュレッダーにかけられ破棄される。紙代とトナー代と作成作業の時間と残業したスタッフ代と誰が出すと思っているのだろうか。指導終了後、質問として「どう思います?これ!この2時間過ぎたら全部破棄するんですよ?おかしくないですか?」と強く言っておいたのは、皆のあるいは私の次の指導のためでもある訳だ。

このデジタルの時代に、デジタルからおこしたアナログのミスを探すアナログ様式とか不要であろう。デジタルはミスすればすぐにつじつまが合わなくなるのだから、大昔の指導のようにそこで重大な不正が発覚するわけがない。役人の意識がアナログだからだろうと思うので、今度本省に意見交換で行ったときに指導監査室相手に直に提言しようと思う。何処まで歯科医師を信用してないのか?程があるだろうと。

この指導週間で、私は夕飯を連日食べ損ねて、書類の突合を行ったために2キロ痩せた。指導ダイエット。指導を苦にして心を病む繊細な先生もおられるようだが、指導現場は威圧的であろうが何だろうが、己の正義を主張するべきで、時に「すみません気がつきませんでした。以後直したいと思います。」でキャッチボールは成り立つのだ。こちらは悪人ではない。技官は代官面するのもいるかもしれないが、どこまで行っても役人。悪いことなどしてはいないのに苦にする必要は全くない。勘違いや間違いは誰にだってある訳で、あの青本を隅から隅まで暗記して臨床を行う変人はなかなかいないと思う。

かつて、私は個別指導の立ち会いを長い間やったが、昔はこんなに付随書類や書かなければならない算定要件などあまりなかった。近年、異常に増えたのは悪評高い2018年改定からで、その傾向はまだまだ続いている。歯科で試験的にやって皆で言うこと聞きそうだとふむと、医科に組み込まれる仕組みはまだ存在し、今回の改定で医科は大変なことになっているようだが。

社保委員として30年うち委員長で10年ほど、審査委員として18年、歯科医師会ではズッと社保畑を歩いてきた。保険医協会では30年社保を担当してきた。厚労省にも何度も行った。厚労族の議員にも何度もあって陳情もした。行政の中枢に知り合いは沢山いる。そんな私が個別指導になったわけは、あくまでも高点数。さあ、みんな、月の平均2000点を目指そうじゃないか。底が上がらなければ全体が貧乏になってしまうのだよ。