前回参加できなかったスマイルクラブ(高木先生主宰のインプラント勉強会)の今年最初のミーティングに参加した。いやぁ、午前中の話は舌を巻く。面白すぎでした。兄ちゃんの、実は最もトレンドな学術内容は文化人類学。そこからインプラントの歴史と未来へと話は続くのだが、その前振りが誰にもまねできないディープさで圧巻だったのである。なるほど、自転車、サッカー、スワローズ、インプラント、等などそのマニアックな引き出しのカテゴリーは、単純にあれが好きこれが好きという範疇を遙かに超えていることは重々承知だが、そのテリトリーが地球誕生からホモサピエンスの進化までとどまることを知らない。それが日常臨床を実は非常に造詣の深い物にしていることをどれぐらいの人が気がついているのだろう。
歯科に関して言えば、befor osseointegration とafter osseointegrationのStar Warsばりの時系列インプラント歴史列伝は今だからこそ私たちに何かを語りかけていることは間違いない。ダークサイドな一面をいかにフォースの正しい導きがあって今に至るかとても面白い(笑)。まだまだ若い先生方にこそ、ハウツーではない話として聞いていただきたい物だ。
夜の懇親会でも、最後の質問でも、要するに積極的なインプラント治療の是非や正義が議論の的になってくるあたり、まさしく50年前からのフィードバックなのである。そしてブローネマルク先生のフィロソフィーと言う琴線に触れることこそ忘れてはいけないことだと今更ながら皆考えるのだ。
夜の懇親会で講師の玉木先生に質問をした。玉木先生とはそれほど年は違わないのだが、積極的な大きなストラクチャーを除去しなければならない局面での話。自分で行った物は最後まで自分で責任をとるのは当たり前だから同意。しかし、施術社の意志や家族の意志や周囲の意志がまるで存在しない超高齢者が増えてきている現在、どう対応するかと。するとそれは自分の歯があっても同じじゃないですかと言われた。トラブルがあって対応するのはインプラントだから自分の歯だからなんて関係ないでしょと。
これ全く違う話のような気がする、以前名古屋の吉岡先生も危惧していた話なのだが、インプラント以外の処置は保険で出来るが、ストラクチャーを外したり除去したりは保険では出来ない。最終公演後のディスカッションでも同じ話を振ると、ある東京の先生が、保険とか関係ないでしょ、経済的な問題があるならやらなければ良い、なんていう話にまでなった。
あなた個人の話をしてるんじゃないですよ。まるでわかっていない。残念。誰の意志も介在しない現場でそこに、倫理観あふれる何も知らない知らされていない在宅歯科医師が飛び込んで、求められているにもかかわらず本気で何もしないで帰るのかあなたは。社会保障で出来るか否かはそういう問題なのだとわからないんだろうな。これはあなたの問題ではなくこれからインプラント治療を補綴オプションとして取り組もうとしている歯科医師達の一つの大きなリスクファクターであることを理解できないのだろうか。たとえば、口腔がんの治療でインプラントが邪魔になるケースも出てきている。インプラント治療の多様性は術後にまでも深く深く及んでいることをわかってほしい。術後のメンテを終身面倒を見ると言うだけの話ではなくなってきている。
いずれにせよ、ある意味surrealismと捕らえられがちな兄ちゃんの話が、実はDr.グルンダーの言うところの、deram,reality,nightmare である事を理解したい物なのだ。
ん〜、スマイルクラブ以外の先生には荷が重かったか(笑)。
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