イヤイヤ、道ばたに「みぎやひだりの旦那さまぁ、哀れな乞食にお恵みを」という景色は昭和30年代後半で姿を消したはずだ。ところが今回訪れたブラジル、アルゼンチン、チリなどはもちろん、欧州でも米国でも、いわゆる「おこもさん」は現存する。これはその国の経済状態のたまもので、もちろん政治的な民族的な背景があることは否めないが、日本では全く見ることはなくなった。もちろん、彼らはホームレスとは違うカテゴリーだから。
ところが、そういう経済状態のあるいは日本とは比べものにならない程の貧富の差があろうがなかろうが、例えば世界チェーンのお店とかの単価を比較したとき、日本の異常な安さがひときわ目立つと言うもの。コーヒーもハンバーガーも特筆するほど日本は安い。と言うことは、アプリのオープンテーブル等でレストランを予約しても先進国もそうでなくてもそんなに予算的に差は出ないが、日本の場合とんでもない安さでそれなりの飯が食えたりする。
どゆこと??
ペルーの郷土料理、鶏レバー串焼きポテト付き、 普通のリマの食堂で1000円くらい。日本なら?? |
安い単価に慣れた経済大国は誰も幸せにはならない。
これが、医療介護の世界でも言えることで、看護職、介護職大規模アンケートを実施した結果を見ると、約6割が離職を希望していることがわかった。(もちろんそう思っている人が積極的にアンケートに答えたのだろうけれど・・)その理由は言わずもがなで、低賃金長時間労働と高ストレス状態で精神的に疲弊しているにも関わらず人様の健康回復のお手伝いなどもってのほかという、社会保障を根幹から覆す結果なのである。
社会保障の相互扶助とは聞こえはいいが、要はお互いの献身的な善意に頼っているだけの話で、そこに介在するプロとしての仕事の評価はべつなのである。だから、各国で日本の社会保障の話をすると皆一様に驚き、可能なのか?そんなことが?と言う返答と供に、関係者は余程低賃金で仕事をしない限りそのシステム維持は難しいだろう、というアナリストが出現する(笑)。そして、社会主義なのか?という素朴な質問が返ってくる。
しかし、我が国の医療に関しての国民の評価は「高額」らしく歯科に至っては「高すぎて通えない」らしい。いったい何と比較しているのだろう。それ相応の対価があるからそれ相応の素晴らしい結果が期待でき、巡り巡ってそれ相応のサラリーが支払われるのだが、、、大卒初任給55万円、ビッグマックセット2800円のスイスの例を考えてみてはどうだろうか。
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