4月20日、還暦を迎えるその日、私は仕事始めは皆に赤のちゃんちゃんこで祝ってもらい、午後からは歯科医師会総会の場にいました。特に大きな問題もなく、粛々と総会は終了したわけですが、会員動向を見てやはり思うのは、歯科医師会とてもちろん超高齢化の波には逆らえないということでしょう。極端に若手不足の地域医療を目の当たりにしています。だってこの私が還暦なんだから。
当院に新しい勤務医として、東北大から松井先生がやってきました。研究歴は15年以上ですが臨床歴はそこまでではないと思います。まだまだ戸惑い苦労するでしょう。時間軸と経済価値とスキル軸のxyzという三次方程式のグラフに加え、社会評価という+d(ax³+by²+cz+d=0)切片を理解し実践するまで、戸惑いとストレスはついて回ります。今までの研究は決して直接現場に役立つものではないと勘違いしないで、相当役立ちますからどしどし還元して頂きたいものです。
歯科の未来のあり方に、このまま厚労省の言いなりでは埒があかない、等と苦言を呈する組織、団体や、新たにそういうものを作ろうとする動きなど、昔から繰り返されてきて、近年FB上でもそれなりに盛り上がったりしているようですが、いままで、そういうものを沢山見て、そして能動的に参加してきた私自身の感想では、数年で確実に収束して現実的にはただのガス抜き団体になってしまうだろうなと思うのです。
その理由の一つが、画一化されていない歯科医師自身のスキルと知識と歯科以外の知識と教養です。一定レベル(これが曖昧)を維持する為にどういう知識と教養とスキルが必要なのかと言う基準がないので、例えば行政に対しての言い分がかなりばらけてしまい信用をなくしてしまうのです。現在の日歯や保団連の護送船団方式と何も代わりはしません。特に保団連のように闇雲に反対を唱えても、今の野党の終焉と同じでしょう。
だから、一定のルールや思考ベクトルが出来た背景を肯定し、なおかつそれならばこうすればもっと良いのでは?(yes and)という肯定的な問いと、より改善するそれを実行するための手段を構築していくことが肝要なのでは無いかと思うのです。何かを勝ち取る為の共闘(死語)など情報過多のSNS上でも意味が無いとこを理解したいものです。
要するに、世間知らずの歯科村現住所の歯科医師は、高木兄ちゃん先生の言葉を借りるなら
「職業訓練校しか出ていない歯科医師の多くは、「削る・詰める・切った・貼った・抜く・埋める」などのhow toを学ぶことが勉強だと思い込んでいる場合が多いので、たまにはスマイル倶楽部で知性と教養を磨いてほしい。」
に大いに共感するわけです。私たちのHERZ会にも置き換えたいものです。
知性教養の欠落は、思わぬ思考停止に陥り、突然集患のためのコンサルに傾倒したり自己啓発にエネルギーを裂いたりと、あらぬベクトル方向に流されていく悲しい側面を持っているわけです。それだから歯科医療人の慢性的な不足や自身の待遇改善という受動的思考はいつまで経ってもぬぐえないのではないでしょうか。
なんてことを、考えていましたところの、還暦でした。。。。(笑)
1 件のコメント:
還暦という1つの大事な節目、おめでとうございます。今度「赤」ワイン飲みましょう(笑)
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