都内某所で、とある秘密結社の勉強会に参加してきた(笑)。
どんなビジネスだろうと顧客のニーズを常に考えている。これがほしいなら売ってやるけどおまえの欲しいものを作るとは限らない、、、と言う職人気質のビジネスは激減しているかもしれない。顧客が何を欲しているのか、どれくらいなら対価を支払うのか、そしてその勝算がある時に商品なりサービスなりを売り出すという現代ビジネスが主流なのだろう。しかし、これを歯科のマーケティングに当てはめるのはお馬鹿?ではないのか。
歯科患者の最も求めていることは突き止めれば「歯科的疾病にならない」こと。確かに更に美しくということで審美的な治療も要求もあると思うが、少数だし正確にはこれは「医療」ではない。しかもその要求はどうやら歯科医師が作り上げている。
ある組織が行った直近の歯科患者アンケート(3000人弱、地域差不明)では、、、、、、
過激で異常な審美を求める姿勢の根本は歯科医師の妄想を具現化しただけなのだ。美しくきれいな歯は当たり前でしょといつも思うが、あえて「審美歯科」と言うからには普通の治療は余程酷いのかと勘ぐりたくなるし、、、、、というスタンスでは仕事にならないからか(笑)。
有名な大先生が学会や講演会で「患者の審美的要求は日に日に増してきている以上、こういう外科のスキルや知識は今まで以上に必要になってきている」とのたまう。で、審美に関わる自費診療は社会保障の範疇を超えるから付加価値の意味があるという。医療の種類とか質とか何もわかっていないんだなぁと、逆にその無知に感心する。おめでたい。
「保険の範囲を広げて欲しい」
「治療の説明を詳しくして欲しい」
「待たせないで欲しい」
「なるべく削ったり、抜いたりしないで欲しい」
「もっと丁寧に時間をかけて治療をして欲しい」
など、歯科医が言う「患者のニーズ」と全然一致しない。なぜなら、歯科医が上記の問題を解決しようとするなら、基本的にはビジネス色はなくなる。そう、だから社会保障なのだと言うことの理解が必要。
ちなみにこの通り誠実な歯科治療を続けると歯科医院は倒産するというコンサルもいるがそれは嘘である。誠実に取り組むからこそ患者は来るのだが、いわゆる大きな利益は出ないのだ。だから最新の設備に設備投資も出来ないという現実問題にも直面する。で、それが、ビジネスとしては方程式に当てはまらないだけなのである。医療だからである。
歯科医は「患者のニーズ」なるものを作り上げる上で、利益に余裕が出るだろうと言う予測の元に、「想像で」もしくは「狭い範囲で」考え、それを患者にセールスする。患者はそれが自分に必要か必要でないかの判断が難しい場合、今までの「信用」でそれを購入する。しかしこれは再建治療のみに当てはまる事柄だと理解しなくてはいけない。
そしていつしかそれが「患者のニーズ」として世の中を歩き出す。
なんということだ(笑)。
(疾病治療のセールスこそ、医療の根幹である以上、信用損失の可能性は非常に大きいし、療担規則違反になるケースも非常に多い)
本来、本当の「患者のニーズ」は患者が素直に思うことであり、特に歯科医療の場合、利益が出るか否かとは全く別の問題だ。つまり患者の「歯科医療はこうあって欲しい」という希望に対し、我々歯科医が実現の方法を考え、それを採算の取れる制度へと変革することがもっとも自然で、最も必要なことであり、そのためには医療を受ける側の患者と施す側の医療者が同じ目線に立っているかどうかも重要なポイントだろう。
ま、当たり前のことだけど(笑)。
あと、私見だが、、審美歯科をうたっているところほど審美的にイマイチなところが多いと思うのは私だけだろうか???現に全てやり直しさせた経緯もあるから余計そう思うのかもしれないが。
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