10月 14, 2020

社会保険ルールはおかしな連帯責任?だったが、今はどうなのか?

 中央公論に坂井学・内閣官房副長官の論が出ている。その中に歯科の話があった。マスコミの得意な文脈を切って(笑)紹介すると、、、、、なるほど面白いですね。

「当選一回の時です。歯医者さんの診療報酬に対する社会保険の適用範囲が、全国でなぜか神奈川だけせまくなっている、いわゆる神奈川ルールというものがあって、私はそれを是正しよう動いていたのです。国会で質問をして時には、厚労大臣が公平でないという答弁を引き出しましたが、一向に改善されず、逆に、私が歯科医と結託していると誹謗中傷される状態です。そんな時に、菅さんにちょっと昼飯食いに来いって呼ばれました。行ってみるとそこに、社会保険診療報酬基金の理事長がいて、神奈川の現状を理事長に直接説明することができたんです。理事長に決断していただき、神奈川ルールは変わりました。菅さんは、私が困っている様子を見ていて助け舟を出してくれたんです」。


面白いですね。ルールは変わるんです。というか、私がここで注目したのは「神奈川ルール」の存在。ええ、もちろん知っていますとも。社保畑を30年近く歩いてきましたから。厚労省で質問したこともありますし。

そもそもこの不公平ルールの発端は、神奈川県における診療報酬レセプトの内容があまりにも酷かったからと聞いています。もちろん一部の歯科医院だけですが、私も以前一度レセの内容を聞くに及び(真偽は分からないですが)そりゃもう驚きましたときが有ります。
モラルがあまりにも低い、倫理観があまりにも低い、そんな方々がそれなりの数いらっしゃるるのだと説明を受けました。そしてそこには天下無双の問題技官が鎮座しており「私がルールだ」と言わんばかりの結構エグい指導がまかり通っていたそうです。モラルの低いレセにはモラルレスな技官、、と言うことなんでしょうか(笑)。あぁ、なんて恐ろしい。。

全国一律のルールの難しさは、特に地方都市にいれば良く理解出来ます。青森だって、某無歯科医村までわざわざ出かけていって、道がないので3時間も雪かきして(ボランティア)独居老人を訪ね、それだけでも大変なのに、ルールはこうだからそれは請求できませんとか、請求しすぎですとか、現場にいないくせに何を偉そうにと言う事例はたまにある訳です。
あるいはこんな地の果てで開業して、地の果て地域医療に貢献しているんだもの、そりゃ仕方ないよね、ルールは緩くしてあげたら?と思ったりすることも。
しかし、この事案は違うんじゃないかなと思ったりしました。噂だが、アマルガムを研磨してKP、IPM、INLAYSET、とか、それは犯罪じゃないですか?、、とか。

で、私が問題にしているのは、こういう輩が一人でも二人でもいると、全体の信用がなくなる。というか、支払者側はルールとして罰則規定を設けるのではなく、連帯責任としてローカルルールを作成するという、摩訶不思議な現象が起きた(今ではちょっと考えられませんがね)わけです。
「こういう事をする奴がいるから、このルールはこう変更されたらしい」等という噂がまことしやかに流れ、まじめに一心に仕事に取り組んでいる歯科医師達は、何か馬鹿にされたような感じでいやな感じなのであるし、正直頭にくるわけだ。「オレは関係ないだろ!」という具合に。

とにかく、一番不利益を被ったのは当時神奈川県で歯科治療をした国民であり、法の下に平等ではなかったということ。以前問題にした山梨県もしかりなのです。加えて、歯科医師会が国民のために、発端としては何もして来なかった、あるいはお上に楯突くなとしかるべき事由として黙認した事実もまた露呈された出来事だったのではないでしょうか。




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