10月 02, 2020

レセ1枚あたりの平均点が良い感じ

 昨年の集団的個別指導を受けたときの平均点が1660点だったので、今年の4月からの平均点を気にしていた。当院はフルマウスなリコンストラクションをかなりの精度と頻度で(首都圏の自費のフルマウスには絶対に負けない)保険で行う場合が多く、想像を超える咀嚼の安定という口コミが口コミを呼び大変な数の補綴を行っている関係上、平均点が昨年に比較して大幅に上昇し、上半期は2000点弱となった。はい、来年の個別指導は、見事に当選するのでしょう。

これで、やっと保険診療に関するディスカッションが当県技官ときちんと行える。世界20カ国以上の歯科医師達と話して気がついたことがある。世界の中の日本の社会保障における歯科は、類いまれな利点とややもすれば誤解されがちな欠点を持っている。これは仕方が無い。世界一の長寿を支えている根幹もまた、この社会保障で行える再建治療に他ならないのだが、どうも技官はインターナショナルな事情をご存じないような指導が見受けられ、非常に楽しみでもある。世界に胸を張ってその事象を言えるかどうかが鍵だろうが、重箱の隅の忘れられた埃や、ドブをさらうのが仕事だと思っているのならなかなか話は食い違うだろう。技官のその話国際学会で披露したら、皆さんどんな反応を示すのか確認してみたいことも沢山ある。患者ファーストじゃなく青本ファースト(笑)。

試しにちょっとカルテを見直してみると、記載不備や記載漏れが時々見られた。しかしそれは患者と術者の場を壊すようなものでもなければ、我が国の社会保障の理念から大きく逸脱しているものでもないと確信するから直さない。記載が算定要件となっているものもあるから、記載漏れなら減点すればよろしい。とにかく加筆や直しをしたら本当のカルテの意味が無くなる。

当院は手書きカルテである。いまだに、この手書きの連携を超える「電子カルテもどき」に出会っていない。一日100名前後の患者数だから口述筆記をさせサインをする。本来は今流行の「印鑑」なんだそうだが、実に面白い。以前、厚労省の歯科課長と社会保険と歯科のお話をしたとき、その未来に対する造詣の深さやシステムの改善に対する前向きな姿勢をとても尊敬した。システム改善の中で、例えば手書きのカルテの口述筆記の印鑑は、実は笑い話の種だった。誰でも捺印できる、誰でもサインできる、そんなものがカルテという非常に機密性の高い公文書と同居するのだから、本来の電子カルテ化(ワープロ機能を持ったレセコンでは無いもの)に歯科も早く行かなければいけないはずなのに、日歯の重鎮の反対とか、もう何が何だか(笑)。

サインがないとか、そんな些細な話はまあ置いておいて、肝心の内容に関して、ガイドラインから逸脱するごくまれなイレギュラーなケースを、どう理解してもらうか頭が痛い。臨床経験のある技官ならピンと来るだろうが、ほとんど経験が無いか、あるいは矯正や小児とか特化した、しかもごく僅かな経験で人様に指導をしなければならない技官は、非常に悩むのだろう。だからこそこれも前述の課長に言ったが、「一定の臨床経験の無い技官はやめたらいかがか?」そしたら笑い飛ばされた(笑)。「私だってほとんど無いですから」。

と言うことは、将来への歯科に対するビジョンと理論を持ち、現場を理解出来る、、、そんな難しいことじゃないと思うが。とある若手歯科官僚に議員会館での謀議員へのレクチャー時、私は聞いた。

「先生、日本の歯科は将来どうあるべきなんですか?」

すると彼は答えた。「そんなこと、私の口から言えるわけがないじゃないですか。」

これが、歯科の厚生行政の確信なのだろう。。。。。



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