4月 28, 2023

ドイツって。。。。

 今秋、ベルリンのEAO参加のレジストをしたので、前回のベルリンが2000年だったものだから、昨今のドイツ事情はどうなんだろうと色々調べていた。ドイツと言えばエネルギー政策に特徴があるのだが、当時衝撃的だったのは、徹底した省エネで、車を止めたら駐車場に入るためのバーの前だろうが、赤の交差点だろうがアイドリング禁止。エンジンはオフ。ホテルの廊下の明かりは必要最小限の電気を付けるだけであとは蝋燭だったりとか、まあその徹底ぶりに驚いたものだ。2005年にハイデルベルクに行ったときも同じ。しかしその後、2010年にハンブルグを訪れた際は、真夜中まで煌々と街が光り輝き省エネは何処に?

ドイツは最大で17基の原発を稼働させ、エネルギー的にはある意味その困窮ぶりから脱却していたように思う。しかし、みどりの党の宿願だった全ての原発を廃止したメルケル氏以降、60年続いたドイツの原発の歴史に終止符が打たれる。歴史的な日だと騒ぐ環境左翼とは別に、これは既に政策とはかけ離れた宗教のように見えるのは私だけだろうか。

何故そう思うかと言えば、経済、物理、倫理など無視して突っ走っているように見えるからだ。此を世では「破壊」と言わないのだろうか。産業国ドイツはこの結果、実質失われた価値を計算すると3000億ユーロにもなるのだという。日本と同様、ドイツもまたここ20年経済成長は著しく悪い。安いロシアガスは入らない。高価なノルウェーガス。高価なLNG。あげくは石炭、褐炭などCO2排出ベスト3の化石燃料に総出の状態。矛盾してないか??結果、電気料金の値上げは日本の比ではない。各産業界は悲鳴を上げている。世界最大手の化学コンツエルンBASFは、とうとう支那に逃げた。出て行けない企業は潰れるのもやむなし。どうするドイツ?

再生エネルギーの計算も無視して突き進んだ宗教の結果、国土の2%に5万機以上の風車を建設し、風車の森計画。そして膨大な面積の太陽光パネルを設置する青写真では、仮に新しく通そうとする法案であるところの再生エネルギー80%以上等という計画が、国民の反発を買うことは必然ではなかろうか。大体、ショルツ首相は風車を毎日4〜5基建てるのだと、、wwwww。正気か?2035年からはガソリン車の登録は禁止。来年2024年からは新築家屋はガスや灯油の暖房装置はダメ。暖房に使う燃料は65%が再生エネルギーとか、正気か?

まあ、政権与党のみどりの党は、環境左翼であるがゆえにCO2が毒ガスであると言う前提で事を進める一方、石炭褐炭のような火力発電で何百万トンものCO2排出にはだんまりなのだ。国内でも異論は出てきており、環境左翼妄想に我慢できなくなったバイエルン州のゼーダー州首相は「ウチの原発は博物館じゃない、動かすぞ、破壊するんじゃない!」(笑)

今回のドイツの脱原発の裏には、マスコミの偏向報道も大きな理由にもなっているらしい。脱原発に関しての異論は全て葬られ、原発を擁護することは自然や安全を無視した、お金と物に目がくらんでいる人でなしだとか、右翼だとか批判され、まじめに話そうとしてもタブー視される風潮をマスコミが作った事実がある。まあ、島国日本では出来そうもない夢のような話をドイツに見習えとばかり騒ぐことで、国民がどれだけの不利益を得るのかキチンと計算し、国民がそれに耐えうるためにはどうすれば良いかまでプロトコルを作成するべきなのだが、いかんせん強進しなければ事は進まないと言う理由から、都合の悪いことはきれい事で覆い隠さなければならないのが現実なのだろうか。

日本もいずれ原発はなくなると仮定して、私もそう思うが、反原発のカルトな宗教観で政策を推し進めたドイツが今後どういう状況になるのか注視しなければならない。なぜなら私たちは、現在のエネルギーの恩恵を受けている毎日の生活を数百年前のインフラに戻る勇気はないはずだから。

ベルリンの学会でのドイツ調べが、とんだことになった(笑)。



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