4月 15, 2014

難しいものです・・・・

他県のK市から患者さんが来ました。持参した既往歴を見て驚きました。通院していた過去の歯科医院の数にも驚きました。最後は某大学病院の補綴科の先生が担当して、ずいぶんと難しい理屈をお話し(患者談)しながら作ったというストラクチャーが入っていました。患者さん曰く、「ものすごく苦しかった」んだそうです。
主訴を書き並べると、A4の紙が1ページくらいになりそうです。不定愁訴ですね。しかし、プシコライクではありません。本当にこの10年苦しかったのだそうです。去年もこういう患者さんがいたなぁ。。。

さて問題はそういうことじゃなく、大学病院補綴科で、鳴り物入りで施されたストラクチャーなんです。この数年、大学の偉い先生(患者談)の言うことを聞いて、苦しくても苦しくても何とか開放されたいの一心でその先生の言うことを忠実に守りがんばってきたらしいのですが、、、、もちろん、施術側だって悪気があった訳じゃないだろうし、一生懸命だったと思いますよ。

わしがぱっとみ、う〜ん。何でこうなるんだろう? K9ガイダンスにインターコロナルスペースが全くないために異常に窮屈。それだけならまだ、咬合再構成に夢中になるばかりに、わからないでもないが、非作業側で何でこんなに干渉させるんだろ??
仰天したワシは、バリボリとそこを削りました(笑)。この状況になるまでよく我慢したものです。ちょっと信じられないw。

good by yellow brick road
すると次の来院日、患者さんの不定愁訴の2/3以上が消失。そこで改めて状況を詳しく聞くことにしました。ワシはBRXと不定愁訴頻発の時期のお話、つまりストレスマネージメントとアロスタティックロードのお話をする前に、10年ほど前この不定愁訴症状が突如出現した時、自分の身に何かとんでもない大きな出来事がなかったか先に聞きました。患者さんは目を丸くして、ある事をお話しし始めました。
う〜ん、なるほど、それは大変でしたね、生理的に人の体はそれを何とか回避しようとしてこういう状況になったことをお伝えした途端、多くの合点する出来事を「こうじゃなかったですか?こういうことが起きませんでしたか?」とお話ししました。患者さんは泣き出しました。心も体も楽になった、、というか、憑き物が落ちた(笑)と。。。

ワシが実践している、基本的診療姿勢であるところのmasticatory organに基づく生理的解釈とはこういう事なんです。そしてそれはとても理にかなった科学的論証です。しかし、まだ多くの先生方には受け入れられていないのが現実です。難しいからね(笑)。前回もお話ししましたが、「そういう考え方もあるよね」で終わっちゃうんです。宗教のような咬合治療や口臭治療を否定するものではありませんが(信じるものは救われるので)すべてのドクターの再現性がないと科学として成り立たないと思います。
ワシはこれを20年以上臨床に使い、確固たるエビデンスを元に実践している一人ですが、もちろんそれでは解決できない「何か」の存在もまた、臨床経験則として認めはします。しかし、今回や前回のように「明らかな」理論不足が大学病院で行われていることに、とても残念な気持ちになったりするわけですね。

予言や占いの背景に、実は非常に高度に計算された統計学や科学が存在することは皆さんある程度承知だと思います。ワシらも確定診断の背景にそういうものを確実に持たなければならないわけですな。
いずれにせよ、ワシらと患者さんのハッピーエンドとはかくも難しい世界なんですよ。。。なんて言っちゃだめだってば(笑)。


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