8月 21, 2015

ナーシングホーム

今回のサンフランシスコ入りで、実は友人のお母様が入居されているLong Term Care House にお伺いし、ざっくりと見学したりしました。規模等はウチのベルメゾンなどとは比べものにならないくらい大きい施設です。看護師が常駐している24時間介護看護施設でしょうか。

訪れたのは夜の10時過ぎだったと思います。
比較的簡単に中に入ることが出来ますからその辺がちょっと米国っぽくなくて驚きましたね。各居室は病院のような数人分のベッドがある部屋から個室まで様々あろうかと。週に2回のシャワータイムというのがちょっとこれも日本人としては驚きます。ウチの施設に関して言えば週に2〜3回は入浴できますし毎日だってもちろん。しかも温泉のようなものですから快適に大浴場で湯船につかることが出来ます。そういう感覚は必要ないのでしょうね。
口腔ケアに関しては、自己責任のような印象を受けました。米国ですもの、この施設の入居費用だってウチの倍くらいで、ましてや口腔ケアとかそれ相応の自己負担が必要でしょうからちょっと想像が付きません。

介護入居者の口腔ケアに関して、来月スゥエーデンに行くとき北欧型福祉の現場と口腔ケアの実際を情報収集してこようと思っています。ここ米国では「お金もないのに長生きしてどうするの?」という基本的な考え方がある以上、日本のようなきめ細かさや北欧のような合理的システムとは無縁のような気がしてなりません。

しかし、これは決して批判めいたことではなく、もしかするとこれからワシらの身の回りにやってくるかもしれない現実だったりします。介護保険が破綻する可能性が示唆されてから何年も経ちます。予想をはるかに上回る支出状況に地方自治体は悲鳴を上げ、介護保険の掛け金の上昇や介護認定条件の締め付けそして介護報酬の引き下げ、そこから来る介護人員の疲弊とマンパワー不足、どこをどうとってもポジティブな思考にはなれない現実がもう目の前にやってきています。

スタンフォードばりに発想を180度転換しない限りこの難局は乗り越えられずに悲惨な未来が待っているかもしれない、、そんなとき、今米国で起きていることや合理主義の国米国が直面している問題を徹底的に考えることで、ワシらの未来の老人像がよりクリアになるというものですね。その一端を歯科がどこまでカバーできるかとても興味深い問題なんです。
わしは、日本ならではのすばらしいシステム構築がいつの日か出来上がるだろうと信じておるのです。。。

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