2月 09, 2016

骨太の歯科医師がいない

ここ数年、骨太の勤務歯科医師を探している。まるで見つからない。

各方面で探す手立てに行き詰まった。HPも媒体の一つなので検証してみた。

というか、歯科医師自体、地方の生息数が激減しているよう。かつて当院はこの27年、最大7名の歯科医師を抱え、精力的に歯科医療に取り組んできた。その骨太の彼ら彼女らは、自分の築城のため巣立っていき、皆、主として大成功を収めている。

巷の歯科医院の、しかも、かなりそれなりだろうと予測される歯科医院のHPをたまに見たりすると、まずハードウェアの充実を紹介している。色々なモノを紹介し、これ持ってるのははすごいでしょと言わんばかりなのだが、そんなものは当たり前のものばかりで目新しさがワシにはないし、全部持ってる歯科医院だって沢山あるだろうから、もはやハードウエアで患者を納得させる時代ではないのでは。あぁ、だからウチの卒業生達は、物質的要求度が高いのか。それが当たり前と思って仕事するから。(笑)

しかしである。3.11の大震災で、当院もみんなで仕事を休んで1ヶ月近く復興支援医療ボランティアとして参加。モノがない中でいかに工夫して仕事をするかのヒントは、豊富なモノの中で仕事をしているからこそ様々なアイディアが浮かぶと言う事がわかり、実はとても意外だった。当院はないものがない(笑)。

HPでのスキルの紹介は、端から見ればまるで見当が付かない。おいらはすごいでしょ、と言えばすごいことになるから。答えは、「継続」と「患者が決める」こと。ただしネットの口コミは金で買えるので信用してはいけない。本当の口コミをリサーチするすべを持たなければならない。ワシらが決めても何も意味が無いことの一つがここいらへんだろう。で、HPも含めいろんな所でサティフィケートを並べるのがせいぜいだと思うが、これとて手は異常に不器用だがサティフィケートマニアがいるので結局患者も歯科医師も行かなきゃ分からないはずだ。

医療の根本はコミュニケーションだから、それが苦手な歯科医師はダメ。命がけで人の話を聞く姿勢を忘れてはいけない。最近近辺の2次医療期間も、コミュニケーションが取れない歯科医師ばかりで話にならないから、個人的に仙台まで送るのだが、この背景にも、2次医療期間の骨太の勤務医の不足から異常な混雑を招きストレスだらけの診療が蔓延していることが原因なのだと思っている。それに気が付かないその現場の歯科医師が患者に対して威張り散らすわけで、全くコミュニケーションが取れていないこの現状は、実は今時珍しいわね。(笑)

若い先生方は(おいらも若いが(笑))、どうなりたいのだろう。スペシャリストがはやりでそれが歯科医師としてのプレミアムだとしたら、ワシはそれは間違いだと思う。米国の学会で愕然とするのはGPが行ったビフォーの口腔内。アフターの口腔内写真はそりゃ金もかけてスペシャルな人が完膚なきまでにエラーを取り除いている。が、しかし、これがそのまま日本に来るものだからそれこそがと思うのもある意味分かるが。このビフォーはないだろう。これが米国の一般的なGPの仕業とは思いたくないがどうもそんな感じ(笑)。

スーパーデンティストはスーパーGPなのだ。20年程前に同窓会誌に「米国では専門医ではなくトータルで正しく診断処置してくれる歯科医師を熱望しているらしい」という記事を書いたことがある。すでに相当の時間が経っているのだけれど、米国もまた上手くいかない最大の理由は、お金になるかならないからなんだろう。しかし逆に、欧米のスーパーGPはまた、すごい人たちが沢山いることも事実。ワシはそうなりたい。どんなスペシャリストより知識もスキルも上になるべきがスーパーGPであると思っている。

そうなりたい、骨のある歯科医師まだまだ大募集中。あ、骨があってもcommunistはパス。






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