ところで、この間無防備に書き込んで「誰かに刺されますよ」と吉岡先生に怒られた「言っちゃいけないこと」をもうちょっと言っちゃおう(笑)。
それはインプラントに対する著名な先生方のスタンスや、あるいは学会やスタディーグループのスタンスなんです。いろいろなインプラント関連イベントの半分以上は、何をどうしたいのか不透明な物が多すぎやしませんか?
こういうトラブル時こういうことを気をつけてこうすればうまくいきましたよ、あなたには出来ますか?出来なければこうすれば出来るようになるけれど、でも、はじめから診断を見直してあきらめましょうか?、、、という親切な講演なら大いに賛同するが。こうやって骨をつくったら超キレイにできあがりました、これを俺メソッドと名付けます、、おれってすごくない?、、ってなぁに??(笑)
で、? だから? そういう人がどしどし増えればいいわけね。って、そうなの?患者でT&Eを行えば良いの? そもそもの臨床哲学が伝わらないし。
サンディエゴでの兄ちゃんのような溜飲下がるだろう?てなインプラントのプレゼンのような物を最近はまた特に見なくなった。まあ、EAOやらAOやらICOIでエイジングインプラントロギーの進化はある意味素晴らしい流れだと思うけれど、日本じゃまだまだそこまで言い切る大先生達があまりいない。
要はものすごいテクニックを持ったインプラントロジストが星の数ほど増えれば良いのか、そして世界に羽ばたいてほしいのか、やるからにはこれぐらい出来なきゃだめだからあきらめさせようとしているのか(笑)、施術者を増やそうとしての企画なのかレギュレーションをきつくして減らそうとしての企画なのか、それとも趣味みたいな物(ここ重要)なのか、普通の補綴の延長線上にあるべきなのかそうではないのか等など等(笑)。
全国でインプラント治療を行っている歯科医院数は13%程なので、約7万件中 約1万件弱ですね。この中で非常に高い技術を駆使して行っている医院は僅か1%程だと言われていますから100件弱くらい。視点を変えて、インプラントも含めた医業収入が1億以上の医院が僅か3%と言われているので約2000件だとすると、ピケティのr>gはそれなりにまだ多分成り立ちますので、世のコンサルは勿論可能な限りインプラントを勧めるでしょう。しかし、13%が50%になれば方程式は崩れるのだが。。それは理想的?な状態?
問題は、患者利益に鑑みた時、インプラント治療を行う歯科医院がこの先どれくらいの割合で増えていくことが良いのか、あるいは補綴の選択肢の一つとしてどういう物をどう提供していくことが理想的なのか、サポートはどこの誰がどこまで出来るのか、後継者がいない場合のインプラントの管理は、、等など、この30年近くインプラントに携わってきても答えを教えてくれるグループも人も、あまり出会ったことが無いのです。ですから、あるグループの華々しい戦績は、そういうスペシャリストにみんななってくださいよ、数が少ないのだから、、、と言う意味なのか、こういうケースは私達のようなすごい人に任せるべきなんですよと言っているのか、その真意をくみ取ることが出来ないのです。
二十数年前、まだまだインプラント臨床例の少なかったワシは「こういう風に出来たら良いな、よしこうなろう!」と、いろいろな門をたたきました。しかし、学ぶうちに、あるいは出来るようになってもなお、何か違うな、何かおかしいな、と本当の歯科医療のオプションとしてのインプラントの普及に、世界中のスーパーテクを見れば見るほど疑問を持ち始めました。
結局、日本中ではおかしなブームとひどいインプラント治療の残骸があちこちに散らばり、患者の不利益が増したのです。これに警鐘を鳴らして次々といろいろなグループが出ては来たのですけれど、どこも答えを見つけられないまま今に至るのでは?
要するにこれは、すごい先生がどうだすごいだろう、という臨床哲学不在のプレゼンばかりにワシが行き当たったからかもしれません。十数年前から海外の学会に多く参加し始め、米国インプラントとそれ以外というカテゴリーも自分で見つけたつもりですが、何だかなぁ。。悩むわ。
社会性と経済性と学術性のバランスの取れた将来への話を誰かしてもらえないだろうか。そうでなければ、インプラントヒエラルキーの最上位を狙う歯科医師養成企画なんだよとか、潔い話をする方がまだマシだよな。で、ヒエラルキーが崩壊するべきだというもっととんでもなく潔い話が聞きたい(笑)。
わしって、めんどくさいか?(笑)。うん。だって、うちの施設にとんでもないインプラントが都内のどこかで入れたまま、寝たきりでほぼ意識無くて、ケアできなくて、もうどうにも困っている現状を目の当たりにしているからこその提言ですから(笑)。
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