12月 10, 2022

シリーズ夢の話 第4話 最終回

 今まで夢の話をしてきたが、これが最後。

ちょっと不思議な夢の話が現実に。2004年秋、津波の悪夢で目が覚めた。津波の場所は見たこともない椰子の木が茂った海岸線。遠くの海が盛り上がりそれが徐々に海岸に押し寄せ、砂浜にいた人々が蟻の子を散らすように逃げ惑う様子だった。一体ここは何処なんだろうと考えてもみたが、むしろ夢占いで津波の夢とは何なんだろうと色々調べるが、今ほどネット環境が発達しているわけでもなく、ちょっとした不思議本ではスクラップアンドビルドを潜在意識が夢を見させたのだという解説。妻に話すと「変な夢見て飲み過ぎじゃないの?お酒に溺れる夢じゃないの?」と。いや、夢占いの話は考えてもいなかったのでただの怖い夢としてノートに書き留めておいた記憶がある。12月スマトラ沖大地震での大津波のニュースが入ってきた。

2011年2月末。年度末も押し迫り慌ただしい毎日を送っていたある夜、地震の夢を見た。2階の研修室の天井が崩れ落ち、幸い人もいなかったせいかけが人もいない。翌日事務局に、「地震保険って入っていたっけ?」と問うと「いえ、火災保険の書き換えの時入らずにそのままになっていました、すみません」という回答。私は虫の知らせを信じるわけではないが「すぐ入ろうよ」と言うことで保険屋を呼び3月1日から地震保険に加入した。やはり妻にその事を話したら、良い機会だからちゃんと入っておきましょうと。

東日本大震災は保険加入の直後、3月11日におきた。惨状は皆さんの知っている通りだ。

研修室の天井が落ち、診療室は崩壊は免れたが、数日の休診は余儀なくされた。停電で暖が取れず、石油ストーブを引っ張り出しやかんをかけて、フライパンで冷凍庫の物を研修医の先生方とひたすら食っていた記憶がある。

地震保険が給付された後、保険屋さんが「凄いタイミングでしたね」というので。実は夢見たんだよと経緯を話すと目を丸くして驚く。「先生、次に地震の夢見たときは真っ先に教えてください!」と頼まれた。そりゃそうだ。

私は予言者でもなければ、予知者でもない。しかし、こういうことが時々あると、にわかには偶然だろうとは思えないことも事実だ。地中海の犬の時代から数百年。最近は年のせいか不思議な夢を見ることはなくなってきている。出来るなら、自分の最期を夢で確認したいと思うのだが。人様に迷惑をかけずに静かに末期を迎えたいと言う希望があるのだから。


(コラム)

一度、首をはねられた夢を見たことがある。まな板のような所に後ろ手で縛られ頭を乗せられ私は兜をかぶっている。「最後に言い残したいことはあるか?」と言われ「いや、特にない。」と答えた直後、首をはねられ、その後数十秒廻りの景色が見えていた。痛みはなかった。目の周囲から暗闇が迫り、目の前に雪のような物が降ってきたと思ったらそこで意識が飛び、目が覚めた。これも過去の記憶なのかもしれない。


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