3月 03, 2015

21世紀の歯科--ピケティっぽく(笑)

さすがにきちんと読もうと思っても、高いし(笑)厚いし(笑)、と言う事で、解説本で済ませましたところのピケティの「21世紀の資本」。マルクスの資本論と合わせて読んでみると時代の流れがよく分かりますね。r型人間VSg型人間という結果の設定自体、格差は資本主義のなかで避けることは出来ないとマルクスも書いていた。だから本質的には表だって言わなかっただけで、r>gの構図は実は知らないうちに、漠然と経験則だけでみんな分かっていたんじゃないかなぁと。。

r型人間はg型と稼ぎ方に大きな違いがあって、「運用」し「経営」し「不労所得」も歓迎する傾向だけれど、g型人間は「労働」するという頑固さと共に不労所得は後ろめたいと考えるみたい。そして決定的なのは、r型は「内容や質」で収入が決まるのに対してg型は「時間」で収入が決まるという点。これはいかんともしがたい現実なのですな。
これじゃあ、確かに通常の「労働者」が幾ら頑張って経済を向上させようと思っても、r型であるところの資産家の投資効率には叶わないため、そりゃ格差は広がる一方だねぇ。
そのエクスパンジョンギャップをコントラクションギャップにしようと政治が動くのか動かないのか、動いた方が支持率は上がるが動かない方が経済は発展するわけで、政治家は大変ですなぁ。
こうやってちゃんと考えると、マスゴミや野党の安倍批判がどれだけ的外れなのかよく分かる(笑)。

歯科医療に置き換えちゃおうかな(笑)。
大阪保健医協会のデータが手元にあります。このペーパーによりますと、低所得の人ほど歯科疾患は重症化すると言う報告です。そのファクターは数え上げたら相当あるのでしょうからそういう分析は後回しにしても、確かに、今までウチの患者さんでも港湾労働者(小説苦役列車を思い出してね(笑))のヒエラルキーがそのまま歯科疾患の重症度合いと反比例するのは目の当たりにしているからなぁ。
一方、所得水準が高く安定している人ほど歯科医療費需要が高くなることも確か。歯科疾患の有無で歯科医院に行くかどうかを決めるわけではないその背景には、明らかに所得の格差が隠れている。と言う事は、定期のメンテナンスに時間と費用を費やすグループこそがr型な勝ち組と言うことなのか。

一方歯科医師側も二極化が叫ばれているが、おんなじだね確かに。内容や質で年収が決まる歯科医師と労働時間で年収が決まる歯科医師。あぁ、頭が痛い(笑)。

しかし、まだ日本は優等生ですよね。患者にとっては国民皆保険であり歯科も再建治療までカバーしている。他の国と比べて何が見劣りするものかと思うが、舶来思考の先生方は日本のシステムを批判するが、、いかがか。かたや米国の歯科医療難民は400万人とも600万人とも。何だろうねぇ。。
歯科医師だって日本は社会保険という親方日の丸だから、準公務員(笑)に徹する人もいるし、半分独立開業して時間労働からの脱却を図る人もいるわけだが、米国は各歯科クリニックは、ま、、残酷な話・・「生き馬の目を抜く」事こそ生き残る選択肢の重要部分とみている。インプラントでも審美でもペリオでも最新技術と考え方はみんなそういう背景だと思っていますよ。勝ち組のためのもの。

患者本位の医療とは何だろうと、本当に分からなくなる。患者の格差が医療の格差に繋がってはいけないはずなのに、この態だが。
まだ、「病気が治りますように」というお祈りの時代の方が良かったのだろうか??





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