6月 29, 2013

AGO学会

本日は、東京国際フォーラムでの顎咬合学会へ当院勤務医3名を引き連れて。以前に比べるといまいちの人出でしょうか。かつてのお祭り騒ぎとは違った感じはします。
朝一のメインホールの話を聞いて、当院のインプラント補綴治療を再確認。えへん、UCLAと変わらないじゃん(笑)。ある意味焼き直し理論でも、とても良く理解できました。

ケルンのIDSではあれほどあふれかえっていたデンタルデジタルソリューションは、此処ではなんか影を潜めています。数年後に嵐のようにやってくる気配をワシは感じているのだけれどね。ちなみに当院ではセレックオムニカムが導入されました。聞くところによると、東北では初上陸です(自慢(笑))。
デジタルデンティストリーの重要ファクターは3つあると思います。

1,高いスキルを要求しない(インタフェース含む)
2,ランニングコスト
3,多くの患者のベネフィットにつながる

この3つが解決されなければ、広く浸透することはありません。今の所この3つの問題を解
決しているのが(まだまだインタフェースは改善の余地はあるのですが・・・)オムニカムと考え、ケルンでその思いは強くなったわけです。すでに7月初旬のワンデイ予約は20本を超えるわけで、患者さんの注目度も大きいのだと実感します。

オムニカム
しかし、このシステムはリコンストラクションには全く向きません。補綴診断が終了し他マテリアルの全顎的リコンストラクションが終了し、しかも幾度かのメインテナンスを経験し、口腔健康を身をもって実感している患者さんでなければ本来の機能は発揮できないでしょう。単にマテリアルの交換というシンプルなお題目でなければ、多くの補綴医の批判を浴びることになると予測します。

八戸のNTBR先生が、他社のデジタル機器におけるテーブルクリニックを開いていました。非常に素晴らしい将来性のあるシステムである事は論を待ちません。DT(デンタルテクニシャン・技工士)の新しいあり方も含めた理にかなったシステムなのですが、いかんせん進化の初期である事は否めないかなぁと言う感想でした。セレックとの違いは、システムから来るデジタルデンティストリーの構築(他社)とデジタルデンティストリーから来る終末システムの完成との違いだと感じるわけです。

山形の兄ちゃんと偶然お会いしたのですが、ポスターセッションの座長を務めていました。う〜ん、これ兄ちゃんのカテゴリーから外れてないか??つまんない話を盛り上げるのも、兄ちゃんならではの高度な能力を必要とするのですね。すごい。

夜はみんなで、例によって浅草です(笑)。今日は月一の、体を気遣わない暴飲暴食の日と決めた!

2 件のコメント:

広瀬寿秀 さんのコメント...

メタルインレー、クラウンの患者がくれば、「お宝患者」と呼び、すべてCAD/CAMで置き換え、始末に悪いことに、歯質と完全に接着するので、メタルより優れていると心底信じている先生がたくさんいます。ペリオ患者にはインプラントの方が20、30年予後が伸びると片っ端から抜いて、インプラント。どちらも金のためでない、患者さんのためと。30年予後を見た上での結論であれば、それもいいでしょうが、すべて受け売りをそのまま患者に話すだけ。オプションの一つと考えられないのでしょうか。それとも他のオプションのレベルがあまりに低いのでしょうか。

kuma さんのコメント...

いつもコメントありがとうございます。
先生のインプラントの考えも賛同できます。あくまでオプションの一つでしかないわけでそれが目的になることはありません。
今回セレックに的を絞った最大の理由は、メタル自体に不都合なエビデンスが多いのではなく、メタル自体が投機的材料になっている以上口腔内マテリアルとしての安定供給に問題があると判断したからなんです。性状や予知性のエビデンスは不十分である事は間違いないのですが、その研究報告はまだまだ先の話です。評価が歴史的承認を得るまで時間がかかることも事実ですから、あくまで今考えられるオプションの一つという範疇は超えることは出来ないと考えています。
予防先進であるところの北欧の補綴医局員の驚くような減少が物語る背景に、もしかすると我々が考える以上に「曖昧」な要素が臨床を左右していることを物語っていると思っています。補綴は何処まで行ってもたかが補綴であるという前提での話です。
他のオプションレベルの評価の高低は、セレック導入のオプションレベルと何ら変わる事は無いと思いますから、普通に普段出来ないことをこれに求めることは、全く意味のないことと思っています。
あくまでも、引き出しが一つ増えただけの話です。
患者のためというのは詭弁でしょうね。ニーズを作っているのは歯科医師自身ですから。ビジネス医療としての米国の手法です。今のご時世否定はしませんが、もの悲しい思いはあります。