11月 24, 2023

入所者の死亡に関して

 ウチの施設に8年ほど入居していた方が、一昨日85歳でお亡くなりになりました。当施設で看取りまで希望されていたのですが、先月初め黄疸症状が酷く緊急搬送したところ膵臓癌からくる閉塞性胆管炎で。その後急性期病棟から他院の回復期病棟に移り、そこで膵臓癌の多臓器不全で最後を迎えた次第です。最後経管栄養を勧められたが患者が断ったという話を聞きました。

この方は8年前入居時、前病院で判断された経管栄養でした。その後当院の訪問診療にて、私やDHや施設スタッフと「口から食べるプロジェクト」をすすめ、1年後には経管栄養のチューブを外し何とか口から食べられるようになりました。体力はみるみる回復し、笑顔が見られ、意思表示がドンドン出来るようになってきたのは、やはり「口から食べる」ではなかったのでしょうか。

このブログでも何度か紹介しましたが、経管栄養から口から食べる所まで行くためには、医科主治医の協力がとても大切なのです。しかしかつて「俺の診断に文句を付けるのなら、もうこの患者は診ないぞ、死亡診断を書くのはオレなんだ」という心ない暴言も他の患者で受けたことがあります。文句を付けるのではなく、何とか口から食べられるようにしませんかという「患者」への提案だったのですが、その先生は自分の話にすり替えて激怒したようです。現場では良くある話かもしれません。歯科のくせに、、、と心の声が聞こえます。

摂食嚥下に関連する医科歯科連携はこれから益々重要になってきますが、医科の先生方の歯科への無理解の根底にあるのは「歯科」だからであり「口腔科」ではないからです。多分医科の先生方は歯科医師がどういうことを何処までしているのかご存じないことが沢山あると思います。青本の「医科の準用」項目は驚くほど沢山あります。厚労省が独自に判断して、法的根拠のない通知でその可否を決めているに過ぎません。残念ながら歯科医師側の思考はそこで止まっています。

私が歯科医師法17条の改定を強く希望する背景は、こういう細かなことが関係してくるので、なあなあで済まされる場合が多いのです。これが積み重なり歯科医師の大きな損失と患者の大きな不利益に繋がる場合があるのではないでしょうか。何よりも、当施設に入居していた8年ほどの間に、口から食べられるようになったこの方は、絶対に幸せだったのではないかと思っています。ご冥福をお祈りいたします。

11月 07, 2023

数日の逃亡で何をしたかというと・・・

 弾丸旅行は意外と得意だと思っている。かつて、ロンドン一泊で帰るとか、ヘルシンキ一泊で帰るとか、シアトル一泊で帰るとか、検索して計画する妄想が好きだった。決してマイル修行では無く、そのフライト時間がとても貴重な読書や映画に割り当てられる時間だったからだと思う。もちろんおまけとしてマイルは貯まる・・・(笑)。

今回の曼谷は2度目だが、泰国ラブが過ぎて、家まで建てちゃった同級生の影響で、一日くらいならと出かけたわけだ。弾丸と言っても残念ながらギリギリ二泊。2泊目の翌朝は朝4時起きだったが、心配でなかなか眠れず、実際は午前2時起き(笑)。二泊には入らないのじゃ無いだろうか(笑)。

しかし驚くのは曼谷の物価なのだが、日本よりも高い物が沢山ある。もちろんビッグマック指数は上。というか、バーツに換算すると如何に円が安いのかが実感できる。通常のスーパーやコンビニはもちろん、世界の一流店が集まるショッピングモールなども、多分免税申告しても高いのだ。経済成長率ははるか日本をしのぎ、高層マンションが次から次と建設されている。ショッピングモールも人の山。日本ではまず見かけない「おこもさん」も結構いるが、これでは実入りも悪くないだろう。宿泊ホテルでご飯を食べたが、サーブする女性の半分近くが矯正のブラケットがついていた。もちろん費用を尋ねると。3年から4年契約で、日本円で40万位から60万位。初任給やGDP比較すると、驚くのは私だけだろうか。

とあるデンタルオフィスを覗くと、ホワイトニングと矯正のみでやっているところがあり、中は患者で一杯だったので写真は撮れなかった。何か凄い勢いを感じる。かつて泰国での開業を考えリサーチしたのは20年ぐらい前だが、もう外から入ってくる余裕はないとみたが、地方都市はどうなのかわからない。泰国語の他に若い人達は英語が普通に話せるが、あえて使わない泰国愛国心だろうか。さすがに支那の色はあちこちでいやというほど見かける。まあ、地政学的にも仕方が無かろう。

車で、日本車以外を見つけるのがなかなか難しいくらい日本車しか無い。たまにドイツ車。アメ車不明。韓国車はなし。車は左側通行でハンドルが日本と同じだから輸入しやすいなのかなとも思った。そして、飯が美味いとも思った。

泰国素人だけど、明らかにいろんな面で日本は追い越されていると感じた弾丸でした。次は超穴場を知ってる高木兄ちゃんコーディネート弾丸を期待しよう。


10月 29, 2023

議員陳情、厚労省、総務省 

 10/26、27の二日間、衆議院、参議院のピックアップ議員への歯科に関する陳情と、厚労省、総務省への懇談を行ってきた。そもそもこの事業は保険医協会と保団連の事業だが、集会に参加しても(顔は出すが)サヨク議員達ばかりの中でのガス抜き集会なものだから、青森協会としては少しでも実現可能な議員をピックアップして陳情するようにしている。大体、技工士問題を話し合う場で、防衛費の問題を発言するとか、保団連ってかなりピンボケなバカなのである。

技工士問題に関しては、以前から私は話しているように、これは全て歯科医師の責任であり国やシステムは全く関係ない。既に困窮していた技工士問題の一つの解決策として、故橋本厚労大臣の時に、保健算定報酬7対3という(7が技工士3が歯科医師)仕組み(自主的にだが)を作ったのに、殆どの歯科医師はそれを守らなかった物だから、故橋本厚労大臣は激怒して歯科医師を罵倒した。何のことは無い。それが今まで面々と引き継がれ何も解決しないまま困窮度合いが進み、誰も技工士を職業として選択しなくなっただけの話なのだ。はっきり言うが、保団連で騒いでいる臨床歴30年以上の歯科医師達が悪の根源で、それを棚に上げて騒いでいるだけだから、多分この先も何も問題は解決しないと予言する。解決するとしたら、今の若い先生方が、新しい技工技術とそこへの投資に関して理解を進め、今現在大きく盛業している数少ない技工士のなんたるかを十分に還元していけば解決はするだろう。右も左もわからない、医師であると言うだけの議員に主管を頼んでも、歯科の歴史など何もわからないのだから、やはり無理に決まっている。保団連もどうかしている(笑)。

評価が低いから、患者が来ないからという、自分のことは棚に上げた、至極つまらない理由で、なおかつ技工士に対しての報酬7:3を守らないだけでは無く強烈なダンピング要求をして無理なら他に頼むからいいよ別に、、と恫喝して、とことん彼らを苦しめたのは、多くのアンポンタンな歯科医師なのだ。

さて、メイン陳情の歯科医師法17条問題は、まだまだ時間はかかりそうだが、田名部昌代議員が山田弘議員に超党派での歯科医師法17条問題の相談を持ちかけてくれていたことは、そしてこれからも再度声をかけ一緒に考える機会を作る、と言ってくれたことは、本当に一歩前進していると思っている。その他多くの議員の部屋を訪ねたが、もちろん会期中暇な人はいない。秘書に資料を渡し説明をするのだ。今回初めて杉田議員の部屋に行ったが、サヨクな酷い偏向報道のため差別レッテルを貼られたためか、誰もいなかったのが残念で、もし誰かいたら「私はキチンと理解している支援者の一人です」、と応援したかった。青山議員の部屋にも行けたのは良かったかな。日本を護る会の議員の方々は素晴らしい。

さて、同じ問題をまた厚労省の医政局と懇談した。前回より少し偉い人が出てきたので(笑)これも少し前進した。まだラスボス的トップは逃げているとみた(笑)、が前回よりも具体的な事例を持ち出し内容のある懇談。しかし、私が役人ならこういう面倒な仕事はあまり増やしたくないなとか漠然と思った。だから、役人には話をしてもあまり効果はないだろう。国会議員からの強い要請がやはり必要なのだ。次回は具体例をもっと沢山持って行くつもりだ。

総務省との懇談内容はセンシティブなので、長くなりそうだから、続くにしておく。腐れ歯科指導技官の話なので(笑)




10月 09, 2023

熱にうなされドイツ考察(笑)

 


せっかくドイツに、ベルリンに足を運んだのだから、インプラントの話はおいといて、実はドイツの政治的な話に大いに興味がある。キーワードは緑の党かもしれない。私が所属する青森県保険医協会という組織は実に多様な医科歯科の先生が集まっているので面白いのだが、その中でも私が最も嫌悪する極左系なアレな人達が、時々口にする「ドイツでは、、、」と言うフレーズ。その背景にあるのが「緑の党」だと思っている。しかし実際はどうもその情報はいいとこ取りのフェイクが多いのではと常々思っていた。朝日毎日というサヨク新聞が、小嘘をついた記事を鵜呑みにしているからだろうな。

緑の党には1980年の結成当時、70年代に共産党の独裁政権を夢見ていた過激な左翼の活動家が多く加わっていた。現在、同党は与党の一角におり、当然、ドイツの政界では、いまだに極左の残党が力を振るっている。彼らの体内で今なお、かつての思想が血となり肉となって息づいていることは言うまでもない。また、保守と思われていたアンゲラ・メルケル前首相(CDU・キリスト教民主同盟)も、その後の政治を見れば、社会主義者であることは間違いない。ちなみに彼ら全員の共通点である原発嫌いも、当時の左翼思想の名残だろう。ドイツの統一とは、経済では西が東を圧倒的に支配したものの、30年後の今、思想的には東の勝利が確定しつつある。だから、日本のアレな左巻きな人達は憧れ、その「ドイツのような」実現を夢見て、フェイクニュースだろうがなんだろうが自分たちの思想信条以外のことは議論するつもりも無いという風に見えるのだが。

そんな左傾化したドイツの政策の中で、私は個人的に一番やらかしたなと思っているのが移民政策で、今の日本の政府も見かけは保守だが、中身はぐだぐだのリベラルサヨクに成り下がって、移民政策を大いに推奨し始めた。移民を受け入れると言うことは、彼らの憎悪や悲しみや怒りも、文化とともに受け入れる覚悟が必要だ。私たち日本人にそれは出来ないだろうし、出来たとしたら日本という国は音を立てて崩れていくだろう。現与党自民党政府は、目先の利益と保身しかない議員が多すぎる。だから迎合するばかりで、我々のために何も出来ない。次の選挙は覚悟するべき。

私がベルリンを後にした数日後、ベルリンでは移民と移民政策に大反対する保守思想の驚くほど多くの市民が集まって気勢を上げていたようだ。日本はこういうことをキチンと見ておくべきだが、似たような政策で窮地に立っているフランスで何が起きて何を見るべきかわからない女子議員がはしゃいで終わりなのが現自民党の大半なのかと思う。

いいですか?左傾化したドイツはかなり疲弊してると思います。そうなりますよ、日本も。ヒトラーの亡霊を否定はしているけれど、過去の大戦の否定はしていないというのがドイツの素晴らしいところなのにね。

ドイツで感じた、インプラント意外に考えさせられたドイツの考察ですわ。ちなみに、インプラント会場で撮影した物をちゃんと勉強してるよとFBに上げようとしたら、なんかレギュレーションに触れるらしく削除させられたが、普通のスライドの写メなんだけどね。なんだろう??



10月 02, 2023

ドイツ最新事情 インプラント以外(笑)

 ただいま、EAOの帰りの便でこのブログを書いています。インプラントの話よりもドイツ在住の方に色々伺った話が面白かったので、備忘録として忘れないうちに書き込んでおきます。

相対的に思うのですが、、日本でのドイツに関する報道は、少し偏っているような気がしました。思いのほかドイツは疲弊しています。多分事の発端は18年ほど前にメルケル氏が首相になって、緑の党が大躍進をして、そして大量に移民を受け入れた、いわゆるリベラルなサヨクへと変貌を遂げたあたりから経済は停滞してきているような話でした。


今現在、在住している方々の一番の問題は、カス料金や電気料金の高騰と、もちろん物価高騰のようです。家族3人で3LDKらしい家でのガス料金はなんと7万円を超えるとか。電気料金も追い打ちをかけてかなりの高額になり、とうとう今年の冬の暖房は薪に変えるようなことを言っていました。違う意味での環境は大丈夫?

ドイツを始めて訪れたのは2000年ですから、丁度23年前で、当時から省エネに皆さん熱心で、夜は暗いのは当たり前、車は止まったらエンジンオフ、なんていう話をこのブログでも何度か紹介しました。それからかなりの年数が経ちこの感覚はどうなっているのか聞きましたら、やはり省エネにはかなり熱心なのですが現代の生活水準が追いつかないので目をつぶっていることも多いとか。大体、原子力発電を全て止めたと世界に豪語し、凄いでしょと言っているのに、結局隣のフランスから原発電気を大量に買っている矛盾を当のドイツ人達は黙認するという不可思議さをドイツ人が思っている面白さです。ガスに関してはロシアからのパイプラインが全て止まっているので、ロシア以外から手に入れる困窮具合です。そりゃ、大企業アグファが逃げ出しますね。

環境に最高に気を配っている姿勢は評価できます。しかし、そのために国民が困窮するのを「我慢しましょう」というのは、何か日本の終戦間際の「ほしがりません」に近くないですかね。経済戦争末期の敗戦濃厚な状況でしょうか。やはりエネルギーは現代生活を維持する上で本当に重要な課題なんです。環境が重要だからガソリン車をなくするぞ〜とEUでドイツが先頭に立って推し進めているわけですが、その車の電気は何処から?

ブランデンブルク門が変な色になっていて、環境テログループがペンキをぶちまけたとか。色がどうしても取れないのでこれから削るんだそうだ。この環境テログループはあちこちでテロ騒ぎを起こし、原発反対から始まり、様々な環境破壊問題に難癖を付け、大量の移民まで巻き込んでテロ活動を続けているらしいが、どうやら環境よりもテロが目的のようだとドイツ人自身が言っているのが実に興味深いです。大体この人達も、森の中で最小限のエネルギーで環境を守りながら生活しているわけでは無く、ごくごく当たり前にエネルギーを消費しているらしい。スマホでSNSを駆使して多くの騒ぐ人を集め多くの人達に迷惑をかけている。環境を守ることが大事なのに??

ドイツ人は寡黙なんだそうで、そうですか。騒がしのがいやで匂いに敏感で、食にはあまり興味が無く、テレビは殆ど見ず、一日のウチで温かい食事は一回あるかどうかで、ほぼコールドミールばかりで、生魚と言えば殆ど見たことが無く、しかも魚を焼く匂いが環境テロらしい。だからBBQ等もってのほからしい。日本は三国同盟でドイツとイタリアが同盟国だったが、お気楽な感じのイタリアと剛健なドイツと恒久であるところの日本の歴史観と文化が同盟を結んだこと自体あり得ない奇跡だったから連合国の驚異だったのかなとふと思う。

ドイツのいいとこ取り情報はなんか違いそうだと思いませんか?(笑)(戦争責任的話は続く)




9月 02, 2023

歯科医業の倒産時代

 


医療社会学という立場から医業経営を考える「歯科医業の倒産時代」というこの本は、実は、1985年に東京医療社会学研究所の岩下氏により発表されました。1985年です。今から38年前です。私は1988年開業で35年目ですので、新規開業時、実は精読してビビった本の一つでした。

当時の私は、この本は決して歯科医業の未来を予言していると言うわけでは無かったと思っていたのですが、近い将来の歯科医業の困窮やその解決方法の示唆、医業と歯科医業の峻別と連携など、興味深い記述も見られました。そして何より、今になって驚くのは、この2023年までに私たちが経験してきて、何も解決されていない記述されている事が、実は何度もこの30年で繰り返されていると言うことでしょうか。

常に歯科医業は保険診療と自由診療と倫理観に左右され、まあ、当然正義の倫理観は必須ですが、新しい技術が日進月歩でデジタル化されようがされまいが、生き残る歯科医師と放棄する歯科医師と挫折する歯科医師と、様々な像を考えさせられます。当時、決定的に不足していると思われた医院マネージメントは、今や経営コンサルの手の内に有り、今ではかなりの数の信者を集め、あたかも成功している事例が沢山あるようにも思われます。しかし、その影には無知識無教養を逆手に取られ、いいようにATM化された医院も多いのでしょう。

私は当時この本でビビりながら、しかし結局、事の本質としての自院も含めた歯科医療の根幹は、マネージメントはプライオリティの上位では無く、医科歯科関連学術的知識の網羅とその実践とその責任だと感じ、ありとあらゆる書物を読み、有象無象も多いだろうとわかっていても、可能な限りの多くのセミナー学会に足を運び、翌日からそのスキルを維持し、予後予知性を確認して患者に還元する、そんな当たり前の事の繰り返しなのです。

私はスペックマニアでは無かったので、何か一つの深い探求より、広く浅くほぼ全てを網羅して患者を鳥瞰し、必要な場所に降り立つ仕事が臨床には最適だと心がけてきました。しかし、最近首都圏からの転勤や移動で当院を訪れる歯科治療のすさまじく悲惨な治療痕現状を見ると、(私の処置が100点だと言うことではありません)なるほどこれほどまでに疲弊しているのか、あるいは前述の何かが不足しているのか、あるいはプライオリティでマネージメントだけが選択されたのか、等等悲しくなって来るのです。お金を払えば最適な治療を提供できる、、と言う、世に蔓延している文言は嘘だと感じます。

正直、この30年以上、歯科は進化していますが、歯科医療は進化していません。前述の様々なファクターもさることながら、「歯科医業とは何か」という1990年に飯塚先生の書かれた本が今でも参考になります。こんな本を読むくらいならとクイントを精読するのもいいかもしませんが、偏った歯科医師になるかもしれません、いえ、もう皆なっています。そして医療はサイエンス+アートだと本当に最初に提言した河野先生(元都立駒込病院内科1999年)の「医療学」を是非参考にしつつ、ここから秋本氏の「手仕事の医療」2017年と歯科医療の心は連綿と引き継がれていくのですが、これを考えずに出来たのが「歯科医療後進国日本」というビックリ本なのだろうか。

日本の歯科医療が後進しているのでは無く、やはり歯科医療の提議が曖昧だからこそ、同じ歯科医療の疲弊を何度も経験してしまうのかもしれないのです。そもそも厚労省の医政局歯科に出向いて驚くのは看護師エリアの1/4しか机が無いことで、歯科医療への関心の低さを物語っているような気がします。「歯科医業の倒産時代」では歯科医師法が紹介されています。30年以上前でも、??な部分がありますが、今だそのままなのです。100年前の歯科医師法を、これからも皆さん頑張って遵守していきますか?時代の変遷に追いつかない法律は業界を疲弊させ将来を悲観的なものにすると考えるのは行きすぎでしょうか。



8月 21, 2023

青森県歯科医師会と青森県保険医協会との懇談

 多分だろうけれど、県の歯科医師会と県の保険医協会の会長同士の懇談が、史上初めて実現した。歯科医師会は会長以下理事者3名。協会は会長以下理事者2名に加えて事務局2名参加。現在の青森県保険医協会会長は、先般青森県医師会会長との懇談も行ったので、その流れで県歯科医師会会長との懇談にこぎ着けた。何か時代の流れを感じざるを得ない。

双方素晴らしい会長であるので、懇談内容も非常に多岐にわたりそして和気藹々と進んだ。様々な話の中で絶対出てくるだろうなと思われたのが、協会の左翼組織(共産党など)との繋がりであり、それはお互いの勘違いドクターらが散らかした風評の数々ではある。しかし、その一番の理由は保団連新聞と月刊保団連であり、常に書かれる内容の主義主張が共産党あるいは社民党、立憲民主党のような反体制勢力、、と言えば聞こえはいいが、反日活動を助長して一体何処の国の政党なのかわからない活動をしたり、非常に耳障りのいいことばかりを言って実は裏ではかなり怪しい活動をしているというような、いわゆるサヨクなアレな人達の主義主張ではないのか、、という意見なのだ。この10年特に酷くなっている。当然青森県の協会新聞にも自由意見としての脱原発リレートークなどもあり、余計そう思われている節がある。自由な意見と言っても、実はとても質が違う話を書き込んでいるので、どっちの主義にも相互にアレルギーを感じる人がいると言うことだろ。協会の会員の殆どが歯科医師会会員と同様に(同じなので同じなのだが(笑))保守本道を指示し現与党政治には非常に憤りを感じてはいるが、野党のどうしようもなさに与党支持しているという、ごくごく当たり前の世論体勢も理解していただいたつもりだ。そもそもそんなことは自由なのである。(WIKIでは完全に左翼組織として紹介されているのが残念)

今回の懇談は、そんな風評から来る誤解を払拭する狙いもあったので、とても有意義な時間を過ごさせていただいた。歯科医師会と保険医協会の会員はほぼ同じで、歯科医師会の会員数の90%以上をカバーしている青森協会なのだ。これは全国的にも素晴らしいことなのだと言うことを保団連は気がついていない。なぜなら、全国会員数の伸び悩む最大の理由は、安倍憎し等、まるで左翼活動家のような言動を繰り返し、しかも20年の長きにわたり会長の座を明け渡さない現会長のおかげだということを。つまり、左傾化を防ぎニュートラルな主義主張で行けば会員は増えるのだ。聞いていますか?Y県のN先生。ブロック会議で私が大批判したあなたも、あたかも口だけ左翼活動家ですよ。だから会員が増えないんですよ。余談ですが(笑)

歯科医師会に入会しないで保険医協会に入る事は青森協会としては推奨しないのだが、そこも誤解されている。新制歯科医師会はGHQの指示のもと公衆衛生の行政窓口として昭和20年代から始まった経緯がある。しかるに、開業医の労働団体としての色で昭和40年代にスタートした保険医協会とは始まりが違いすぎる。特に行政における個別指導時のサポート主導権は歯科医師会であり、協会はサブとして様々な情報を発信しているに過ぎない。だからこそ、本来なら両者が目的を同じくして社保の事業を行うとしたなら、かなり素晴らしい結果が出ると予想はされるけれど、歯科医師会では反対も多い。それはそうだろう。社保主権は歯科医師会にある。協会のサポートが余計なお世話だと思っても仕方ない部分もある。私とて歯科医師会の副会長としてそこはよく理解しているのだから。

保険医協会は医科歯科合同の開業医を主体とした労働団体組合様式であり、行政へのアプローチも労働団体特有の古くさい手法(デモ、座り込み、集会、署名等など)でしかなかった。しかし近年青森協会は、独自のロビー活動を積極的に行い党派を超えて認知を広げてきたおかげで、行政や政府の認識が以前とは比べものにならない程理解してもらっていることを付け加えておき、次回の懇談が今回以上に医科歯科連携事業などの具体的な素晴らしい話になることを期待しているのです。  保団連、これ読めますか?(笑)日医や日歯と具体的に懇談してみてくださいよ(笑)。



7月 18, 2023

ここは自由が丘なんだよ青森のような田舎じゃないんだよ(その4)

 八戸は、青森ねぶたの前に八戸三社大祭というとても穏やかだけれども素敵なお祭りがある。ねぶたは夜の大人の火祭りだと感じます。三社大祭は主役が子供達で、祇園祭のような山車祭りが数百年のモディフィケーションを繰り返し今の形があるらしい。だから主役は子供達だし大人はサポート。

さてさて、そろそろお祭りでも見たあと、少しづつでも復帰しませんかと打診をした、件の衛生士。そう、自由が丘の歯科クリニックKで、これでもかと言うパワハラと日々の罵詈雑言で心身ともに傷ついた彼女である。彼女からの返事は、「まだ仕事のことを思い出すと手が酷く震え仕事に対しての自信がありませんので、もう少し待ってもらえませんか?」と。こちらとしては3ヶ月は経つけれど急がせる理由もないので、了解はした。これは、かなり重傷な心的外傷による心的外傷、、つまりPTSDではないかと。東京での経験した仕事の全てを忘れたいと言う。忘れられるのだろうか。

私は顧問弁護士を通じて、この件のハラスメント訴訟を考えている。本人は思い出したくもない事なのだけれど、被害者をこれ以上増やすわけには行かないし、それよりも何よりも何とか彼女を多方面から救済したいと考えた。本人が表に出ることはないという前提で打診してみたが、それどころではないストレスのようで、これ、世間一般で見る訴訟に至るケースというのは、本人のものすごい覚悟と心臓が張り裂けそうなストレスを乗り越えてのことなんだろうなと思う。現に直面して心底そう思う。だから、ハラスメント訴訟とか表に見えているのは氷山の一角なんだろう。もちろんそれ(訴訟)目的のおかしな訴訟もある事は認める。しかし、今回は彼女の保全が目的だから全く別だ。

明るく受け流すことの出来る本人の性格を考えるに、余程執拗なハラスメントがあったことが想像できるが、立証の難しさも本人の負担になる。診断書1枚で事が済めば良いのだけれど、そうはいくまい。詳細な時系列での経緯を思い出さなければならないだろうしその作業は大変なご苦労だろう。さて、どうしたものかと考える。が、まずは顧問弁護士と相談して本人の負担を限りなく軽減した状況でハラスメントを立証する手段を考えようと思っている。






6月 25, 2023

23年度保団連代議員会考察・・・相変わらず

本文とは関係ありません
保団連代議員会に一日参加。まあ、何かの修行と思えば、議事や発言の内容も頭に入ってくるが、、、相変わらずの様々なサヨク発言です。会長挨拶や答弁は全く理解不明の答弁が多く、 よく皆さんこれで良いと思うのでしょうかと不思議な気持ちになる。会長は我々の要求を実現するためには野党連合、、立民共産との共闘により与野党逆転を目論むという。えっ、確かに現自民党与党は保守ではなく、非常に左翼的理屈であらゆるマイノリティに迎合している姿が痛い。だから逆転しなくても保団連的左翼思考回路にはとても近いのではないかしら。だって、共産立民で支持率5%とわかっているでしょ(笑)。

いつも思うが、言ってることは憲法9条問題、脱原発、国家安全保障を除けば比較的まとも。まあ確かに医療問題ですらお花畑要求は目に余るが。医療団体としてこの3つに固執する意味は相変わらず私は理解出来ない。診療報酬、介護報酬に対しての改定に向けた保団連要求はよく出来ている。しかしだ。誰にどうやって要求したいのだろう。どうやって実現するのだろう。完全なる自慰行為に辟易する。内容が理にかなっているだけにとてももったいない。

保団連がどれほど左翼化しようが知ったことではない。香ばしさをどれほど増そうが私には関係が無い。しかし、それ相応の上納金を集めている以上、年間予算19億でやっていることになんの総括もないのが残念。「その事業計画に未来はあるのか?」「その要求は実現可能なのか?」実現するのはどうすればいいのか? あ、会長が総括している。政府与党が悪いから。」・・・・・・マジか。ダメだな、この会長じゃ。

保団連には会員という存在はないので、派手な花火は結構上げている。しかし、実行出来るか出来ないかの判断は各県の協会に委ねられる。そしてその事に関する総括が会計と同じ様に無い。と言うより、どうすればそれが上手くいくかという手段の議論は皆無で、現症に対する批判と会長の世に対する罵詈雑言に明け暮れ、一体このお金は何処に行くのだろう?と言う思いが増す。決まらないことを決める理事会も(毎月の保団連理事会議事録を読んで)相当カネゴンなのだ。

ちなみに、スローガンの「防衛費の増額ではなく社会保障費の充実」は我が国の安全保障と医療問題をコンフュージョンするおかしな発想。と言うよりは、公安監視組織の共産党が言っていること。防衛費自体に対する改善要求は、そもそも医療費とは関連しない。こういうことを平気で言ってしまうところが左翼脳たる所以だろう。

もし言い換えて良いなら、「外国人の生保、外国人の医療費、外国人の留学生優遇、等トータル3000億以上の振り替えで国民医療費拡充」では無いのか?加えて男女共同参画公金吸われ状況9兆円。こっちが社会性を考えれば先じゃ無いか?・・・差別?違います。日本人と区別することを差別だと騒ぐことで金を稼ぐ左翼発想なんです。

私は保団連をまるで信用していないが、去年あたりから岸田内閣をも信用していない。医療関係で、しょうもない事例が次々と起こり、仕事も生活も、歯科医師になってこの39年で一番困窮している。医療問題を改善することがプライオリティでトップなのだが、今や的外れの保団連も頼みの与党もまるでダメ男。本気で自分のデフォルトを考えるが、患者のことを思えばそんな我が儘出来るはずも無いだろう。ガス抜き代議員会はそんな事まで考えさせてくれた。しかし、相変わらず、処理水を汚染水と言ったり、我が国を戦争をしたい軍拡国と言ったり、医療問題から離れたこの異常なアレルギー反応は、ある意味左翼スローガンとしてバカにしようと思う(笑)。兎に角日本人を全く信用していない姿勢はどんなきれい事を言ってもダメだと考えているのだろうか。私が保団連を信用しないのと同じロジックなのだ。

さて、いつものように全ての議決反対票は私一人、、、、と思いきや、ある議決内容に関して3人の反対票があったのはマイクロ単位で進化しているのだと思う。



6月 19, 2023

4年ぶりの顎咬合学会終わってからのマティス


 顎咬合学会は開業医のお祭りのような学会だと思ってかなり経つ。いつものように偉そうに4年ぶりにオープンで開催されたこの会を考察してみた。参加人数は3000人を超したという。ある意味凄い。

自分のブログを検索してみると、2013年で学会では、何故かまだ殆どプレゼンのないデジタルを、自分で数年後には流行するだろうと予測していたり、2016年あたりで「考える会」になって良かったとか2018年でまた「ハウツー会」で、つまらない会に戻ったねとか、一緒に批判(笑)反省会をした先生方と東京の下町で議論していた。始まり当初、佐藤貞雄先生が大会長の時は、難しかったけどとても面白かったとか、名前は伏せるが某大会長の時は、学会と言うよりはビジネスセミナー乱立だなとか(笑)。

移動関係で初日の午前中の講演は聴けなかったが後でヒマなときにビデオを見てみることにする。ペリオが基調講演というのは毎度違和感がある。自分の中ではこれこそがメインポジウムとばかり午後の一発目で「咬合学」。保母先生がどんな思いで、カテゴライズされていない顎咬合という学会をスタートさせたのか、多くの反対を押し切って作ったとか思い出しながら、やはり凄いなぁと感心する。そして咬合、ナソロジー、スラバチェック、等など、オーストリアナソロジーを基調とした話は、これこそこういう話を皆でディスカッションしなきゃ等と漠然と感じていた。

さて、結構前に座っていたので、後ろを振り返ると、、えっ!と言うくらい人がいない。しかも若い先生が極端に少ない。ここを聞かなくて何を聞くのだ?なるほど咬合がわからずともMGSが出来れば良いと勘違いしてるのか、咬合がわからなくてもペリオコントロールが出来ると思っているのか、インプラント後にCMSDなら口腔外科に送れば良いとか、まあ、好きにすれば良いが、患者は不利益を被る。咬合をキチンと理解してこそのインプラントやペリオや補綴なんだと覚えておいてほしい。開業医はスーパー臨床医たる、スーパーGPじゃなきゃ。だから、2日目は誰がなんと言っても、朝から宮地先生の話はメインポジウムとして絶対に記憶するべきだ。正直10年ぶりにお話を伺って、多分同じ話なのに酷く感銘を受けた。30年経過とか、こんな素晴らしい話、昨今のダメダメ米国歯科臨床では絶対無理な話だろう。

FBにちょっと載せたら、某青木先生からの書き込み。「診断に関してのコンセンサスがなく、審美、インプラントベースの咬合学は認められません。一方で機器やコンセプトが流動的だった時代の先人は素晴らしいと思います。」と。実にそう思います。混沌とした時代にアナログでも一定の「咬合」に対する基準を設けようとした探究心に敬意を払います。で、

「治療手段が思考と行為の中心をなす」歯科治療に警鐘を鳴らしていたのは1980年。本当にその通り。診断もしない出来ないで手段を決める愚かさで、しかもその手段のスペックばかりを気にする。

ここから40年も経って、まだこの会の有り様はなんだろう。構成員の問題だろうか?この会場にもあまりいなかった若者先生方よ、目的を持とう。その目的を達成するための手段を手に入れよう。手段は目的ではないのに、勘違いしているから、臨床で頓挫するのだと知ろう。顎咬合学会は果てしなく裾野が広いのだが、目的は一つ。その根幹を成す咬合学という思考回路にドンドン飛び込むべきだなと思った。

咬合のような経年的変化に対応する基礎となる感性は、マティスのように死ぬまで変化を求めるアーティストの感性に似ているなと言うことで、時間をぬって東京都美術館にマティスを見に行った。やはり感銘を受けたが、経年的改革変化と列外歯的視点(私の造語)を探求する高木画伯の方が、、上のような気がした(笑)。

考察がじじ臭くなってきた(笑)。