水曜日, 2月 12, 2020

一体どんな歯科医院に行ってるのよ!

先般の「日本の歯医者は時代遅れ・・」の記事が、色々なところで波紋を投げかけている。そりゃそうだ。だって誤解だらけのこの内容にある意味同調する歯科医師がいると言うことに驚きを隠せない。胸を張って否定できない歯科医師達の貧弱さが問題で、日本における歯科医療自体を否定すること自体何も分かってないわけだ。

この筆者の行ったとおぼしき「BIDC」は(写真から(笑))バンコクインターナショナルデンタルセンターと言い、私も知っている。タイでもトップクラスのクリニックで、歯科医師30名以上をそろえる大型クリニックだ。インプラント学会のアジアパシフィック大会などでも時々所属医師の症例を目にするし、先進的にアメリカンナイズされた専門医も数多くそろえている。最近では経営の要としてのグローバル歯科医療ツーリズムも積極的に行っているようだ。筆者はそこに乗ったのだろう。
医療コストはタイGDPのそれに準じているので日本に比較すると100%自費とは言え安く感じるかもしれない。例えばインプラントなど1本当たり20万円前後なので、日本のトップクラスの先生方の40〜50万に比較すると格安感はあるだろう。通常診療も同様だ。特にエンドはペンエンドを踏襲しているらしい。経営サイドは当然医療経営中心の専門家をそろえ年商は20億を超えるだろう。

しかしである。日本における年商1億以上の歯科医院は10%前後という統計からすると、BIDCと直接比較検討する事に意味が全くないばかりか、その中に医療レベル上下関係を算段するエビデンスはない。
確かに設備投資と技術レベルは一定の相関関係があり、厚労省の差別化はその一端をになっていることは間違いは無い。いわゆる日本固有の3ちゃん歯科医院には出来る事と出来ないことが存在することも確かなのだ。それをダイレクトに日本の歯科医療の時代錯誤感に持って行くのはいささか乱暴だろう。当然、地域医療でのその存在は、少なくともタイのそれとは比較にならないほど社会に貢献している。
こんなの普通に保険でやるだろうが・・・
エンドの不手際が個人主義の台頭をバックアップしていないことが、患者不利益に繋がるとは思えない。むしろ、必要な時にラバーダムなんぞ当たり前のように使用している歯科医師はゴマンといるのだ。ラバーダムラバーの消費は一定ラインで横ばいだと聞いている。と言うことは、使っている先生は普通に使っているという事じゃないだろうか。
ちなみに、ラバーダムとマイクロの世界標準エンドセットを実践している歯科医院は普通に沢山存在するにもかかわらず、この筆者はそこに行き当たらなかっただけで日本の歯科医療を否定する無知をさらけ出しているに過ぎない。どんだけスカ(ハズレ)引いてるんだ(笑)。

マスコミにおけるインプラントのネガティブキャンペーンの後も、様々な歯科医療バッシングの後も、歯科医師ワーキングプアーキャンペーンの後も、全く関係なく盛業な歯科医院が多数存在する現状を持ってして、ごく一部の砂漠化した歯科医院を同枠で捉えるその背景には、どうやら今度は国民皆保険の社会主義的歯科保険に対する無理解が隠れているのではないか。日本の社会保障の充実とは、世界に類を見ない国民皆保険の中で歯科医療を再建治療までカバーしている努力であり、それと同等にBIDCの歯科医療と比較して卑下する無知さ加減がどうにも我慢できない。

どんな世界にも、どんな職種にも、バカと不器用と無知は存在する。歯科医師も例外ではない。しかし、歯科医療として捉えるなら、そのシステムの違いや医療経済学的考察が出来ない自称ジャーナリストとか、適当な記事を「そうだよなぁ」とかまるで信用する歯科医師とか、、勘弁してほしい。。

ガンバレ日本の歯科医師!療担規則を遵守してもなお、僕たちは世界レベルで胸を張れるんだよ。


金曜日, 1月 31, 2020

国会行動、そして技工士を守る集会

コロナヴァイルスで大変な1月30日木曜日朝から、保団連主催で衆議院第2会館に集まり、技工士問題集会と供に歯科用金属問題に関する議員陳情で一日活動した。ちなみに集会では、多くの与野党議員の皆さんにお集まりいただき貴重なお話を沢山聞かせていただいたが、立民の先生方は本当に内容が分かっているのだろうか(笑)。本来、保団連のようなサヨク組織だけが旗振りすると、集まるのは共産、社民、立民、など日本より韓国や支那が好きな政党ばかりだが、今回は日本技工士会とのコラボと言うことで与党議員の参加が多かったようだ。政治的動きとしては素晴らしいことだ。

今回の陳情は、多くの議員と言うより、話し込み時間を割いてもらった議員中心だった。以前から何度も訪問させていただき勉強会を重ねて頂き理解が深い田名部議員や歯科医師として素晴らしい政治活動を続けている島村議員などは別だが、他の議員では金属問題もさることながら、歯科医療自体の構造的そして実際の内容の認識の低さに本当に驚かされる。私が国会行動をして20年以上経つわけだが、厚労組とて入れ替わりごとに初見で始めから説明しなければ大概話は進まない。これが実は世間の常識でもある。
近年歯科口腔はこれだけ大事だと世間では非常に注目されているにもかかわらず、その元になる歯科医師達の知識とスキルと経済観念のばらつきが大きすぎて、政治的動きをお願いしても一つの意見として捉えてもらうことが非常に難しい。当然歯科技工士問題も歯科医師の責任がほとんどなのだが、当の歯科医師の認識や知識のばらつきが大きすぎて、多分話は進まないだろう。島村議員の現状と未来に対する激励と苦言が非常によくわかるというものだ。

直接話をしていて強く感じたのは、「日歯は一体何をしているのか?」と言うことだ。至る所で、この金属問題に関して承知はしているが日歯はなんと言っているのかと聞かれた。と言うことは日歯はこういう件に関して何もしていないと言うことだろう。基礎的な話から日常の歯科や高度な歯科やそれらの理解の元勉強会を開でもなく、現状の問題点を指摘するでもなく、ガス抜きの代議員会でお茶を濁すこの習慣に辟易とする。そしてこのオープンソースなご時世、実は水面下で動いて、その情報を小出しにしながら歯科医師会権力を維持する構造的問題点に誰一人文句も言わず、そこにしがみつく会員に、何の魅力も感じないから会員が減少すると言うことに気がついていない。もちろん保団連がその穴を埋められると言うことではないけれど。

もう一つ。学会と政治。行政を動かすには幾つかのポイントがある。その一つに数値と理論とエビデンスがある。歯科は数値がない。数値がないからエビデンスがない。こんな単純構造を学会が認識していないので、とある政策担当秘書の話の中でインプラントの話が出てきたとき、その知識レベルで先進歯科の話をする危険性をつくずく感じた。自由診療と保険診療もごちゃ混ぜである。幾つかの学会をまとめ、欧米民主主義の中で行われるロビー活動に専念する人間がいなくてはどうにもいけないと感じる。

まとめだが、歯科が国民医療費の6%台からかつての10%台まで回復することは、この先無理だろうというのがここ20年のロビー活動の感想だ。すると、患者利益はそっちのけで歯科医師のエゴの話になってしまう。そうはいっていられないので、保守本道を全うするべく与野党幹事長クラスの旗振り役を見つけ、青森協会独自あるいは共感する同じ思いの協会と供に歯科勉強会を国会で開催する必要性があるなと痛感した次第だ。

最後になるが、保団連会長の「アベガーアベガー自民党が〜」という絶叫がなんともはや、そういう偏った否定ばかりで未来はあるのか?あなたの好きな政党の支持率は1〜2%前後だと言うことを忘れてはいけない。相も変わらず政策論争は皆無で、花見とましてやまたしてもモリカケに終始する政党に何が出来るというのだろう。








火曜日, 1月 21, 2020

今でも狂気は終わっていない

医療関係の仕事をしているので(もちろん)、今でもCTやレントゲンの時、放射性物質や放射線の話、被曝の話、良く聞かれます。以前もそのまた以前も書いたかもしれませんが、、、2011年の自分の書いたのを参考にしながら。。。

思い出せば、山本太郎軍団の影響で、首都圏での鬼子母神現症は狂気の沙汰でした。我が子のために人の子を喰らうがごとくの狂気が、ふくいち原発の事故のおかげで蔓延していました。水道水に放射能物質だぁ、我が子に飲ませられない、水買いだめ、現地に水不足、つまり、原発周囲の子供達の方が圧倒的に深刻な汚染水問題を抱えているにもかかわらず、そこに届くはずの水は首都圏の買いだめで枯渇したのでした。何らかの事故が起こると、それは何であれ、エゴがむき出しになります。そしてそれに愉快な仲間達が拍車をかけました。

2011年終わり頃に話題になった肉の話もそうだけれど、冷静に分析しようよと言う事で色々調べて、患者さんくらいには正しい情報をと私は考えました。当時、福島の肉は、毎日200グラム365日食べ続けて3.0ミリシーベルト。医科用CT撮影1回分の被曝の半分です。当院の歯科用CTは医科用CTの1/20。ドイツ人の開発担当者はこっそり、プロテクターなんか全く必要ないけど決まりだからね、、と。それほどの被曝量。月一で欧州往復するビジネスマンはその何倍もあびるのだけれど。危ないからと子供を欧州に避難させた母親はそのことを知っていたのだろうか。

とにかく、騒ぐのはやめるべき。今でもその手の市民グループは風評をまき散らしている。近代生活リスクというのを聞いた。放射線も含めて、電磁波、排ガス、たばこの副流煙、食品添加物、中国製品(笑)等々。これらのリスクの上に私たちの生活は成り立っていて、そのうちの放射性物質だけが注目されている。
自分が無知だったその昔、好物のディチェコの乾麺の購入を控えていた。その理由はチェルノブイリのブツがイタリアに流れてきたと報じられ小麦が汚染されたと報じられたからだった。ところがその時期の微量な汚染のロットなど全く関係なく販売され、買う人の意識にゆだねるという会社の姿勢に怒ったものだった。しかし、よく考えればあれは正しい。子供の隣でたばこを吸う奴がいれば、その子供が年間20ミリシーベルトどころの騒ぎではない発がんリスクを抱えるのだと、大いに騒がれるべきことのはずだ。

1960年代、世界中で行われた核実験祭りで、例えばストロンチウム濃度など現在の数百倍から数千倍だった。新潟では支那の核実験後1000倍を記録しているし、東京でも100倍だった。だから青森県でも小学生の自分が育った七戸町の田舎でもフォールアウト被曝は今どころじゃなく物凄い量だった。その草食ってた牛や羊、何も考えず美味しいと食ってたし。

70年以上前に我が国は核を落とされて、なおかつこの状況で、反原発プロ市民グループの言い分なら、広島は数十年人が住める状況じゃないし、日本中不毛の地になっているはず。チェルノブイリのせいで奇形児が異常に増えたとする報告が本当に正しければ、日本中奇形児だらけのはず。しかし、浴びまくりの私とか普通だし(笑)、その後の日本の癌の発生率は1970~2018年まで、人口増加比例を考えると何も代わってはいない。
これどういうことですか?現地被曝でさえ1.003倍の発がん発生率増加にヒステリックになる前に、もっと危険なものが沢山あるのだからそれこそ無しにするべきじゃないのか?
挙げ句の果てに、福島の子供達に甲状腺癌の穿刺吸引とか狂気じゃないだろうか。

ある女性の方67歳。当時日立在住。ふくいち事故現場に比較的近いから(本人談)色々浴びていると言われた(反原発グループから)。当時水道水は危険だから飲むなと言われた。だから小屋一杯買いだめして米をとぐときもミネラル水でやる。あと10年で私が死んだら原発の所為だと確信する。そうでなければあと30年は生きるはずだ。遺族に訴訟するように言ってある(反原発のグループのアドバイス)。絶対に勝てますからと言われ、子供達や孫のことを考えるととても心強い。
そして今、元気に同じ質問を私にする(笑)。

普通におかしいでしょ。狂ってる。ニューヨークタイムズのチェルノブイリの時の社説。「健康被害も環境被害も恐れられていたよりはるかに小さく、公衆が受けた最大の被害は、誇張されたリスクに基づく精神被害

野生動物の楽園と化した現在のチェルノブイリ周辺の状況は、1000年人が住まないと言う意味での楽園と言うことなのだろうか。



木曜日, 1月 16, 2020

何も変わらないのかしら

昨日は、昨年忘年会が出来なかったHERZ会の新年会でした。私が喪中という理由でしたが七七日(49日)が12月30日に明けるのを待っていたと言うことです。

勉強会のあり方は30年も前から色々なところで発信してきました。カリスマ勉強会なのか思考する勉強会なのか。今の日本の歯科界の風潮は、どちらかというと強いカリスマ性を持ったどこかの誰かが、いわゆるスターになり、スター性のある講師がありがたがられ、そういう人達が一同に交いして一大イベントで盛り上げるという、なんとも米国っぽい勉強会や学会だらけです。それでいいのかしら?だから、診断せずに処置を行う事が日常になるわけです。こういう時にはこうする、、という。

当然思考していませんから、スキルコピーをいかに正確にするかが思考ベクトルのメインとなります。ですから今回の新年会で皆と話しながら思うのですが、スキル上達とそれに伴う知識の重点は実に当たり前のことであり、そうではなくサブスクリプションのごとくの追加知識と思考切り口がスーパーGPの道ではないかと進言しました。

若手歯科医師のディスカッションの場が限られ、実はかなりの2極化が進む中、研修医の立場も大学教育の荒廃(笑)で、結局研修医期間が終わってもイロハのいの字も理解出来ない歯科医師が量産されているのではないかと危惧します。その証拠を愕然と目の当たりにすると将来の日本の歯科医療は一体どうなるんだろうと、まあ、偉そうに思うわけです。

もちろん若手歯科医師の発表現場において、若手なのにこんなに出来ます!という賞賛の場になるだけの場合がほとんどで、結局そこからいかにスターを掘り出すかだけの話じゃないかと。毎日が平坦で起伏のない臨床を望む歯科医師が大勢居る限り悩みも何も出ることはないのだと感じる話を、実は自分が若手の時30年前から同じ事を考えていると言うことは、うん、何も変わっていないのかしら。ということは、このままで良いのかしら。

目的の話ですね。スペシャリストになって国民医療に加味したい、とか、スーパーGPになって国民医療の最前線で活躍するのか、そういう目的意識を何故大学では教えないのだろう。歯科はあくまでも手段であって、目的じゃないのに。だから、スターと言われる人達にその目的を意地悪く聞くとまあ一同、口ごもる(笑)。

まあ、これでいいのね、主宰者が面倒くさい人間の(笑)うちらの勉強会。


月曜日, 1月 06, 2020

どんな年になるだろう

新年も明けて数日が経った。やはり今年の短期目標を持たないと、問題意識が欠落して漫然とした過ごし方になるので気をつけなければ。

パブリックな目標は幾つかある。
アカデミックな歯科的問題を考えると、当院における今まで以上にデジタライズされた日常の診療システムを考えていきたい。人と人との触れ合いであるところの医療の中に、どういう形でシームレスなデジタルソリューションを潜り込ませられるかは重要だろう。人が楽になり、より思考する時間を持つようになるための技術なはずだから、この事で今まで以上の全てのコミュニケーションが<患者ー医療関係者>の場で円滑になるように考えていきたい。今のままのデジタルでは全然いけない。
ポリティカルな目標も持ちたい。
世界に誇る我が国の歯科保険システムの否定の上に成り立っている自費診療のあり方を明確にしなければ社会保障の中の歯科のあり方が揺らいでくる。元来補綴を外したい意味も分かるが、そうなっては元も子もないだろう。また、金属問題もその理由でわざと放置している感もある。世界一のシステムを守るべきだと思っている。
そして研修医問題にも一言。研修医の受け入れ施設の基準はどうなっているのだろう。かつての厳しさはなくなり、ある研修医の話では、例えばラバーダムの気配すらないとか、レントゲンの現像は当院なら20年以上前に終わっているところの驚きの手現像だったり、これからの時代へのデジタルのデの字もない環境が、コミュニケーションのみのスキルアップのためにと言う環境だとしたら、研修医の将来がこれでいいのだろうかと考える。そんなことを制度のトップの役人や偉そうな先生方は考えもしないだろう。あげくに、うちのように何年も研修医が不在なら受け入れをやめよとか、地方都市や歯科医師の現状も理解出来ずに勝手なことを言うだけ言うのも、いい加減にしてほしい。

プライベートな目標も幾つか。
仕事場に寝泊まりして31年、念願の自宅を完成させたい(笑)。60歳を境に、今までの生き方を振り返り、反省すべき事だらけであった。これからの生き方はその轍を踏まぬよう、実に新しく見える道を進んでいきたいが、天職だと思っている歯科医師としての仕事は次世代にきちんと引き継げるまでは頑張っていかなければならない。しかし、自分の思うような生き方で行くべきだと思っている。それが自分を信じるプライドとなる。
剣呑である自身の健康面も、健康であるからこその正義足る発想であり、周囲に対してももう無茶は出来ない。
そう、心も体も穏やかに今年は過ごしたいが、それではダメなのだろうか(笑)。



水曜日, 12月 25, 2019

科学への芽

孫に、クリスマスプレゼントでどうかなと思い買った絵本はまだ早かった(笑)。

私が小学生の時に、この「海」という絵本に出会った。全部ひらがなだったのでもっと下の子向けだったのだろうが、夢中でページをめくった記憶がある。ちょうどその頃テレビで海洋学者の「クストー船長海の旅」とか、ベルヌのSF小説で「ノーチラス号」とか夢中で見たり読んだりしていた。中学の時に北杜夫の「どくとるマンボウ航
海記」に出会い、海の街八戸だもの、、少年は完全に海洋学者として海洋進出を夢見ていた。

この加古先生の絵本は「海」「地球」「宇宙」とスケールがドンドン大きくなる。そして最後にはこの本をきっかけにそれぞれの分野をより詳しく研究する将来の子供達へのメッセージが添えられる。「このほんをよんで、あきらかにしたり、けんきゅうしたりするひとがでてくるでしょう、わたしもあなたもがんばりましょう」なんて言うことが書いてある。すばらしい。こうして理系(自然科学系)の子供は誕生する(笑)。

見事(笑)完全理系の高校に進学した私を待っていた最初の理科は「地学」で、「実習」から始まった。白い長い白衣を着てバスに乗り河岸段丘や海岸段丘を歩いて観察する。地層や地質を観察する。石を愛でる(笑)。宮沢賢治状態だと思った。海とは関係がなかったが、他の普通クラスでは国語とか日本史とかやっているときに、こんな事をしていたクラスだった。楽しくて仕方なかった。
受験の時に次年度からは共通一次試験という難題が降ってくる。9教科試験(笑)。国語はもちろん古典や歴史など受験用知識は皆無だ。何とか現役のうちに受験しないと行き場がなくなる理数科だったが、地頭がダメだったので浪人(笑)。共通一次試験は無理。理系のみの選択教科の大学を探す。東海大学海洋学部が目にとまり子供の頃の夢が吹き出してきた。そして、親に、猛反対された(笑)。海に出たらいつ帰るか分からない生きてるか死んでるかも分からない仕事は勘弁してくれ、、そんな感じだったか。東京商船大学はもっと大反対された(笑)。その前に入る頭がなかったけど。

もう一度「海」をしっかり読んでみる。忘れていたことを思い出す。小学生の頃の思いを思い出す。知らないことを知る喜びがふつふつとわいてくる。歯科と言う仕事を始めたときもそうだったが、知識が増えることはある種の快感を伴う。加古先生の思いが伝わってくる。未知の世界への探検はなんとワクワクするのだろうと。今の仕事を振り返りながら、最近ワクワクが少なくなってきたのかな。
サトチュウ先生の命名したワクワク系歯科医院とはかなり意味が違うからね。



月曜日, 11月 18, 2019

突然の父の死に寄り添う

人の死は唐突にやってくる。
11月11日午後、日赤病院の呼吸器内科の部長から、昨日夕方入院した父の容態に関して説明があると言うことで呼ばれた。画像診断の結果、肺の大部分が機能していないほどの肺炎になっており、長くとも数日しかもたないのではないかと告知された。
それこそ数日前まで、多少疲労感を訴えてはいたが元気に車椅子生活を送っていた。父は冠動脈造影検査後その場の日赤病院で脳梗塞で倒れ右半身不随の生活を10年続けていた。その時の処置の手際がいかがだったか等、今は言いますまい。
しかしそれなりに元気で、昨年まで車も運転していた。私たち家族もその障害の程度になれてしまっていて、元気だしねということで、多少の発熱や倦怠感も健常者と同じように捉えていた節もある。延命は本人が生前強く否定していたこともあり、いざその時になると涙が止まらなかった。

12日の明け方、就寝している私の枕元を誰かが数回叩いた。強く叩いた。驚いて目を覚まし起き上がったが、寝室はしんと静まりかえっている。何だろうと思いまた寝たのだが、次に目を覚ましたのは入院先からの緊急の電話であり、家族は集まってほしいとの内容だった。横浜や千葉に居る妹や孫にすぐさま連絡をして、また、父の兄弟にも電話をした。永眠したのはその数時間後だった。横浜方面からのグループは間に合わなかった。あまりにも早い急な展開に、家族親戚一同言葉を失い涙だけが流れた。

父の人生はどうだったんだろうと、今更ながらに思うが、多くの教え子に慕われた教師生活三十数年、そして多くの従業員に慕われた当院事務長として三十数年、決して不幸ではなかったと息子ながらに考えてしまう。
私にとっての父の思い出を考えた。鮮明に思い出すのは昭和39年東京オリンピックに父と向かい、チャフラフスカの演技を見た。しかしそれよりも嬉しかったのは、開業間もない新幹線の前で写真を撮り、一緒に乗ったことだろうか。ほんのわずか熱海までの往復だった。確かに思い起こせば色々なところに連れて行ってもらった。大阪万博では、日本海回り普通列車で家族で京都まで行き、非常に親しくさせていただいていた柄本先生のご親戚の家に泊まらせていただき、月の石を見に行った。
ある日父はキノコを採りに行くと言って車で出かけ八甲田山中で遭難しかけたことがある。深夜になっても帰らぬ父を皆で心配して警察まで出動したことがある。朝になり這々の体で帰宅した父を何故か私はじっと眺めていた。
亡くなってからと言うのもおかしな話だが、忘れていたことを次々思い出す。それこそ供養となれば良い。

通夜、葬儀ともに、本当に親しかった人達が涙してもらった。火葬の前日湯棺していただいた。髪を洗い、体を綺麗に洗い、温かいお風呂に浸かって、着替えをし、生前一番のお気に入りのシャツと背広を着てもらい、本当に穏やかな優しい笑顔でお送りした。

心傷として一番辛いのは母だが、気丈に振る舞うその姿もまた息子とすればやはり心は痛い。しかし、父の死に直面して人の生命の尊さは物質や時間とも違う価値があることを実感している。父の親しい友人達のその多くはすでに鬼籍入りしている。向こうの世界があるのならさぞかし楽しいだろう。
そんなことを考えて、ふと今更だが、自分の気持ちが少し楽になるような気がした。
今まで本当にご苦労様。息子はこんな人生をあなたからきちんと譲り受けてもう少し生きていきます。ありがとうございました。
安らかに旅立ってください。




木曜日, 11月 07, 2019

万巻の書を読み、万里の道を往く

勉強抜きでレポートする今回の旅行は、わずか、4泊の3回目の倫敦。うち1泊は調整だから実質3日間の倫敦滞在で得るものは大きかった様な気がする。ドライバーさんに、「冬の倫敦ってどうなんですか?」と尋ねると「曇り、雨、夜」という答えが速攻で返ってきた(笑)。嵐はほとんどないが、とにかく暗いのだとか。なるほど、土地風土と知識や学問は比例するのだろう。することがないから、暗い部屋で研究に没頭するにはうってつけの人も多いかもしれない。

夏目金之助がわずか1年ほどのイギリス留学において「夏目発狂」と言われるまでの神経衰弱を引き起こした本当の原因は、この気候にあったのではないかと言われている。来る日も来る日も雨の倫敦で、暗い部屋に閉じこもる様子を下宿人の女主人は「驚くべきご様子で、猛烈の神経衰弱」(土井晩翠記)とまで言われていたのだから。

 水曜どうでしょう、、の鈴井君が(笑)、欧州制覇の旅でどうしても行きたかったコッツウォルツの村々を車で訪ねてみた。彼らが到着したのは日も暮れており番組ではただ真っ暗だった場所。
美しい昔の村々が残っており、川を挟む素晴らしい地形に家が建ち並ぶその姿は、日本人でも「住んでみたい」と思わせる素晴らしい景色。川沿いの一軒家が売りに出ていた。650年前に建てられたという小さなその家は8000万円ほどの値がついていた。その値段は便利性や快適性ではなくあくまでも歴史の値段なんだと思った。

2度目の大英博物館に行った。やはりここは、6£で借りる音声ガイドではなく学芸員レベルの本物のガイドさんに案内してもらわないと面白くない。あるいは万書を読みそこまで自分の知識を持っていかないと、ただただ見て回るだけの博物館になってしまう。倫敦大学と繋がっていることに初めて気がついた。大英博物館と倫敦大学は隣同士なのは知っていたが、同じ建物だとは知らなかったので、どちらにも用事がある場合は非常に利便だ。略奪の限りをして世界中から集めた名品の数々と言われるが、半分は当たっているものの、半分は誤解であることも理解出来た。ここにあるから保存できているものも相当数に上る事実は、決して過去を否定ばかりしてはいけないと感じる場面もある。

トラファルガー広場前のナショナルギャラリーで、これだけの名画をいっぺんに見られると言う幸福も、少ない時間を惜しんで出かけた甲斐があるというもの。金で雇われたゴーギャンをウザいほど愛してしまったゴッホ。この両方の絵が同じ部屋に並ぶ、やはり歴史感の妙がまた、日本的に粋だと思うのは私だけなんだろうか。

万感の書を読み万里の道を往く、、事を否定する方々もそれなりに多いと聞くが、それはとても合理的な米国的開拓の発想。歯科的発想は合理的でなくてはならないかもしれないけれど、日本的発想こそ「書を読み街に出よ」と寺山が(?笑)言うように、本質の分からない医療人にはなりたくないものだと思った。えへん。


金曜日, 10月 18, 2019

厚労省への質問と参議院議員懇談

今回、青森県保険医協会のミッションは、午前中の東北ブロック(東北6県)としての厚労省要請ディスカッションと午後からの参議院議員懇談でした。

厚労省要請に関して、直近の台風被害に遭われた方々への医療費負担問題や東日本大震災で被災された方々の負担金免除が解除された問題が重要項目となり、時間の関係上個別指導問題は影を薄め、また別個に持ち込もうとした衛生士における麻酔の可否に関する法的問題は次回持ち越しにしました。

負担金免除に関する要望はまさに現場の憤りと解決であり、当たり前の話なのでここでは深く述べない。また、個別指導問題は当県技官のみならず「技官の個体差」をクローズアップさせたかったが、年に数回の情報共有という至極当たり前の解答は想像はしていた。個別指導は必要であり、適正なシステム維持には不可欠であると個人的には思っているが、本省の思いと地方技官との指導内容に関する乖離はもう少し詳しく話したかった。特に地方厚生局に対して我々が幾度となく要請した「担当技官の講師依頼」が拒否されていることに関し、本省は個別に地方厚生局に対してものを言えないという状況が明るみに。続けて粘り強く要請してほしいという解答にはやや驚くと供に、まあ、水面下では色々ご苦労されているんだろうと半ば同情もする。どんな世界にも「しょうもない奴」はいる

衛生士の麻酔に関しては、前日別件で消息筋(笑)と会食。法的な問題はさておき、要は日歯にお伺いを立てた過去、そして日歯が反対した、、、日歯が積極的に動けばそうなりますと言うこと。それだけのよう。なんだかなぁ、な感じで尻すぼみでした。その昔、歯科医師達がパラデンタルスタッフのことを何処まで本気で考えていたのかという代償が今私たちの周りでおきていることなんでしょう。これは技工士も含みます。次世代へ残すことの出来ない負の遺産は早く消却したいものです。

午後、与党から野党まで、くまなく懇談。内容は多岐にわたりましたが、主には非常に裾野の広い歯科医師法17条に関して。これはなかなか難しい問題で、非常に参考になるお話を、そして非常に納得のお話を島村先生から頂戴した。さすが現在の歯科界を牽引するだけのことはあるなぁと非常に勉強になりました。やはりこれからの歯科界をどうすればよりよい方向へ持って行けるのか、考えている人は考えています。何か安心しました。
しかし、本当に法的な担保がない状況で、グレー部分の医業を歯科医師が歯科医業として行った場合、過去の判例を紐解いて問題なしとなっていても、時代の変遷と供に解釈は複雑怪奇になり、はたして、本当に次世代にそういう形で引き継いでいくことが正しいのだろうかという疑問は、個人的にはぬぐえません。過去からここまで頑張って引き継いできた歯科麻酔科医や歯科口腔外科医達の努力は、ある意味ある時突然無駄にならないように、慎重に事が進むことを期待して止まないわけです。


土曜日, 10月 05, 2019

エバースマイル、、そう笑顔と歯科は大切

 先般、両親の家の物置を整理(断捨離)していたら懐かしい映画が出てきた。1989年のアルゼンチン映画。エバースマイル。知ってる人は少ないだろうなぁ。

サイドカーを診療台にしたハーレーダビッドソンで南米パタゴニアを旅するファーガス(ルイス)は、慈善事業に熱心な財団の支援の下、行く先々で歯を無償で治療する「巡回歯科医」。
道中で知り合った女性エステラを助手に旅を続けますが、歯磨きはしても今までまともに歯の治療を受けたことがない村民達は彼を怖がって近づこうとせず、啓蒙活動は思うように進みません。人々の困窮の中に歯科治療など入り込む隙などありませんから。

ていうか、ここまで来て考える諸氏も多いのでは?歯科医師が主人公の映画で、しかも良い人の役なのは、後にも先にもこの映画だけではないかと記憶する。
本来、途中で出会ったガソリンスタンドで働いている女の子とのラブストーリーなのだが、その物語のバックに広がる荒涼としたパタゴニアの景色が、なんとも素晴らしい。ご覧になっていないかたは、是非とも見て頂きたいし、歯科医師や関係者ならなおさらですから(笑)。

さて、歯に関する映画をググってみたら、そうそう昨年日本歯科医師会が作成した「笑顔の向こうに」がありました。それなりに面白いと思っています。
が、キヌア・リーヴスが歯科医を演じている「サム・サッカー」も。高校生の指しゃぶりと催眠術をかける酷く奇妙な歯医者が面白いはず。
ブルース・ウィリスが主人公の「隣のヒットマン」オレは歯医者だ、、は見てませんが、これも主人公が歯科医師という数少ない映画ですが、悪い人ですから(笑)。

まあ、とにかく色々な映画やドラマに歯科医師は出てきはしますが、大体は、ずる賢くて悪知恵がはたらき、小金を持っていて、女にだらしなく、時に凄く悪い奴。こういうイメージが歯科医師なのねと思う。
しかし、エバースマイルの主人公の歯科医師は、繰り返すが(笑)、、本当に良い奴なんだよなぁ。。。

そして最後。「ノボケインの局部麻酔の罠」。みてないけど、題名でやばそう(笑)。舞台はもちろん歯科医院。順風満帆な歯科医が罠にはまる。時間外診療した美女の誘惑とは?もうさ、つまらなおもしろ映画見え見えですわ。アマゾンプライム配信(笑)。