木曜日, 11月 07, 2019

万巻の書を読み、万里の道を往く

勉強抜きでレポートする今回の旅行は、わずか、4泊の3回目の倫敦。うち1泊は調整だから実質3日間の倫敦滞在で得るものは大きかった様な気がする。ドライバーさんに、「冬の倫敦ってどうなんですか?」と尋ねると「曇り、雨、夜」という答えが速攻で返ってきた(笑)。嵐はほとんどないが、とにかく暗いのだとか。なるほど、土地風土と知識や学問は比例するのだろう。することがないから、暗い部屋で研究に没頭するにはうってつけの人も多いかもしれない。

夏目金之助がわずか1年ほどのイギリス留学において「夏目発狂」と言われるまでの神経衰弱を引き起こした本当の原因は、この気候にあったのではないかと言われている。来る日も来る日も雨の倫敦で、暗い部屋に閉じこもる様子を下宿人の女主人は「驚くべきご様子で、猛烈の神経衰弱」(土井晩翠記)とまで言われていたのだから。

 水曜どうでしょう、、の鈴井君が(笑)、欧州制覇の旅でどうしても行きたかったコッツウォルツの村々を車で訪ねてみた。彼らが到着したのは日も暮れており番組ではただ真っ暗だった場所。
美しい昔の村々が残っており、川を挟む素晴らしい地形に家が建ち並ぶその姿は、日本人でも「住んでみたい」と思わせる素晴らしい景色。川沿いの一軒家が売りに出ていた。650年前に建てられたという小さなその家は8000万円ほどの値がついていた。その値段は便利性や快適性ではなくあくまでも歴史の値段なんだと思った。

2度目の大英博物館に行った。やはりここは、6£で借りる音声ガイドではなく学芸員レベルの本物のガイドさんに案内してもらわないと面白くない。あるいは万書を読みそこまで自分の知識を持っていかないと、ただただ見て回るだけの博物館になってしまう。倫敦大学と繋がっていることに初めて気がついた。大英博物館と倫敦大学は隣同士なのは知っていたが、同じ建物だとは知らなかったので、どちらにも用事がある場合は非常に利便だ。略奪の限りをして世界中から集めた名品の数々と言われるが、半分は当たっているものの、半分は誤解であることも理解出来た。ここにあるから保存できているものも相当数に上る事実は、決して過去を否定ばかりしてはいけないと感じる場面もある。

トラファルガー広場前のナショナルギャラリーで、これだけの名画をいっぺんに見られると言う幸福も、少ない時間を惜しんで出かけた甲斐があるというもの。金で雇われたゴーギャンをウザいほど愛してしまったゴッホ。この両方の絵が同じ部屋に並ぶ、やはり歴史感の妙がまた、日本的に粋だと思うのは私だけなんだろうか。

万感の書を読み万里の道を往く、、事を否定する方々もそれなりに多いと聞くが、それはとても合理的な米国的開拓の発想。歯科的発想は合理的でなくてはならないかもしれないけれど、日本的発想こそ「書を読み街に出よ」と寺山が(?笑)言うように、本質の分からない医療人にはなりたくないものだと思った。えへん。


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