5月 23, 2020

私が個別指導を受けるために

唐突だが、どうにも、当院の場合、4人の勤務医がいてコロ助のアクティベートで通常の20%〜30%オフの患者数だと、平均点が2000点を楽に超すのは避けられない(笑)。一人一人のドクターの濃厚接触。しかも本院は、保存、リコンストラクション補綴、外科中心、分院のサロンで補綴と歯周病のメンテ中心となればますますの話だ。つまり、本院からメンテや予防で移るためサロンなどGBTだけでも月に200件以上なのだ。
昨年の集団的個別指導の選抜に最下位ながら勝ち抜き1660点。と言うことは、本年の平均点数が1660点以上なら来年は見事個別指導に当選する。全体の平均が今改定で、あるいはパラ改定で上がったとしても全く関係ないシステムだからだ。また、すでに2000点以上で集団的個別指導に当選した場合、今年1900点でセーフになる。実に面白い。

かつて個別指導は非常にブラックな選定だったと記憶している。事実かどうかは知らないが、歯科医師会に対して面倒な歯科医師や、態度の悪い歯科医師、そして本当にどうしようもない歯科医師を3密の中で選定基準も表だって発表されず決められていたのだろう。そして、個別指導の前日には、あろうことか技官と飲み食いしていた事実を私は知っている。指導技官もそれが当然のことのように振る舞っていた。指導内容に関しての忖度ここにありと言う訳か。
しかしそれは遠い昔話で30年以上前のことだから今となっては全くもってあり得ない話なのだ。が、その状況だけが一人歩きをして「個別指導」というイベントに対して震えおのの居ている歯科医師もまた沢山存在するところが面白い。

そういう過去を引きずっているせいだろうか、二昔前にこんな事があった。18改定の時、あまりにも理不尽な改定内容に、羊の歯科医師会はなすすべもなかった。しかし、その現状に詳しいとある厚労族議員が「現場の本当に困っている現状をリアルに郡市レベル歯科医師会として陳情してくれ、日歯ではダメ、お参りみたいなことしか言わないから」と私を含め何人かの知っている歯科医師達に話をした。「予算委員会で質問したい」と言うことだったので、素晴らしい!そういう議員さんもまだまだいるということは、国会も捨てたもんじゃないな、、等と偉そうに思った。

地元に帰りそれを実現するべく、郡市レベル歯科医師会を始め、あちこち動いていたら唐突にある大学(同窓会に力のある)の会長から「そんなことはやめなさい」と言われた。何故かと尋ねると、お上にたてつくと、「本県郡市歯科医師会が目を付けられ個別指導にあたる」。だそうで、なるほど本家歯科医師会もその構造かと。
どんな組織でも執行部がご高齢だとこういうことが多々あるものだ。だから私はいつも「会長職など現役バリバリの40代が各地で台頭すれば組織は変わる」と言っている。
しかしまあ、驚いた。本気で指導に当たるとかそんなことを思っているようだ。意識なんぞそんな物なのである。お上に逆らうと酷い目に遭うなんていう江戸時代以前の感覚なのだ。開いた口が塞がらなかった。
その後、予算委員会の質問こそ実現しなかったが、結果他県郡市レベルから上がった陳情内容で疑義解釈が修正されまあ、はじめよりはまだマシな解釈になったのだった。
だからこの時本気で「青森は田舎だ」と感じる出来事だった。
しかし逆に、歯科医師会が頑張って厚生局との情報共有を円滑にしてきた過去の経緯もまた、こういう組織では重要であることは言うまでもない。保険医協会では、国や県に向かって正面切っての話しか出来ない部分がややもすれば残念でもある。

話を戻そう。田舎くさい風評はヌキにして、平成8年から施行された指導大綱。高得点を抑え平均点を下げそれなりの抑制効果が期待されただけではなく、指導選定に当たっての基準が明確になった点は、役人からすれば非常に評価されただろう。歯科医師側からすれば、ただでさえ低評価であえぐ日本の歯科医師は諸外国の1/20の評価で死に物狂いで頑張っているといのにどういうことだよ、、となる。
加えて、指導大綱選抜競争以外での「情報提供」という酷く曖昧な選定はまだ残っているし、厚生局青森では事実確認もせず、患者の電話1本で某歯科医院の不正請求を疑って情報提供下での個別指導が行われた事もある。その結果はまた某技官の不思議な対応に注目して後日報告しよう。
そして大綱が施行されて24年が経過し、その選定における矛盾点も山ほど出てきていることを考えると、そろそろ新しいレギュレーションが必要ではなかろうか。

とはいえ、現行の法律がそうであるから「それはおかしい」と言ってはおかしい。改正案や代替え案を逐一上程することは絶対に必要だけれど、急には変わらない。担当技官の品格や知識量、現場への想像力の有無に左右される内容も、無念だが今のままで行くわけで、さて、当院の個別指導がある意味楽しみではある。点数を下げる、、などと言う姑息な手段に頼ることは、自分たちの仕事へののプライドを捨てることになり、個人的には「だからいつまでも馬鹿にされる」と思っている。私は今まで以上に武装する。誰よりも歯科医業に関して、特に学術に関して色々なことを知っているつもりだが、それに拍車をかけて日本の歯科医療を理解しようと思う。もちろん現場にリンクさせて。
青本のルールは人が作るのだからミスがある。こっそりとミスがある。しかし悪法も法であると言う考えが根強く、しかもそれに逆らうことは禁忌であると信じている多くの歯科医師に少しでも希望を持って頂きたいと。

さ、頑張って高点数を維持していかなきゃ!!



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