11月 12, 2018

咬合医学の提言


30年前にアメリカンナソロジーでスタートした当院臨床。ヨーロピアンナソロジーに出会い軌道修正をした1995年。そして、その後2005年に佐藤貞雄氏が提言した「咬合医学の提言」は、アメリカンナソロジーと共有しながらも、私の臨床の様々な意味でのファウンデーションになっている。
今回、久し振りにその自分の検証というわけではないけれど、青木聡氏の「咬合に軸足臨床」セミナーに早くから参加申し込みをしていたので、スマイルクラブ大阪場所は欠場となってしまった。青木セミナーの内容はエッセンスながらもエクセレントだった。

改めて氏の話を聞きながら、つくづく思っ
たのだが、氏曰く「眼科において黒眼科白眼科上瞼科なんてないでしょ」に強く同感した。20年前のブログの中にも、歯科における分化科の意味がわからない、先進の米国でも患者はそんなことは望んでいない、なんてことを偉そうに書いていたのだが(笑)、誰も聞いてはくれなかった。分化してスペシャルな人になった方が本当に良いのだろうか?患者は安心か?スーパーGPじゃダメなのか?誰が得をしているのか?もちろんぼんくら歯科医師は絶対ダメだが(笑)。

咬合医学の提言は当時の私にはとても素晴らしい響きで、その内容もいちいち共感するものだった。そもそも、Slavicekの2002年の提言の一つに新たに共鳴したわけだが、あって話したこともないおじいさんだから、会える先生方がうらやましかったけれどね。ウチにある古い氏のセミナーシラバスは90年代中期なんだね。

さて、咬合を思考するときに避けて通れないBRX問題は、なんとなく嘗ての私の経験則持論と相まって、考えれば考えるほど楽しくなる。しかし、医学的に理解を増さなければならないストレスとはそもそも何か、結果カテコールアミン放出とホルモンの関係や、有名なFrankenhaeuser(1986)の「努力と悪性ストレスとホルモン」の関係とBRXがアロスタシス維持を担う関係を整理しなければならない。ただ整理するだけじゃなく、エビデンスがこうだからと言うだけじゃなく、私なりに推測もしたい、、と言うことで、「ストレスの仕組みと積極的対応」(藤田企画出版)という本を引っ張り出してきてみた。
ここに咬合医学を絡めると大変おいしくなるのでは(笑)。証拠もない持論として、私は、武器としての顎口腔機能を捨て、言葉を選んだ時、高ストレス処理のシステムだけが残って大脳はいきなり容量を増したのではないかと、高木兄ちゃんの文化人類学話も交えてふと思っている。そして、決してハウツーでは解決しないと思っている。シーケンシャルオクルージョンは一つの重要な選択肢だが、全ての解決策ではないのではないかなと。

諸般の事情で12月中に、BRXをわかりやすくまとめ、1月にプレゼンできるようになければならない。青木先生を始め、その道の高名な先生方に申し訳ないがなんだかやらざるを得ない。これがまた、私に大変なストレスなんだけれど(笑)。




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