日曜日, 6月 12, 2016

顎咬合学会の変化

学会初日の午前中の講演が、主催者の意図を表すと言うけれど、まさに、何かシフトチェンジした顎咬合学会を、、偉そうですが(笑)賞賛いたします。「考える学会」への変化こそこれから必要なのです。ハウツー学会はもうたくさん。

若手でこの変化を理解できる人は、将来素晴らしい歯科医師となるでしょう。誰でも歳をとり、それにどう歯科医療が関わっていけるのかという哲学命題こそ最も重要なことだとずっと考えていました。4年前のEAOダブリンでジュネーブ大学のIrena教授のプレゼンに大きくうなずいた物でした。当院のコンセプトは28年前の開業時から、生まれてから天寿を全うするまで私たち歯科はどう関わっていけるのか、、を大命題として頑張ってきて、一昨年やっとナーシングホーム建設までたどり着いたわけですから。

今回の顎咬合学会は、イギリスの社会保障の根幹であった「ゆりかごから墓場まで」の言葉のコピーなのだが、しかして、イギリスではそこに真実の歯科医療は介在していないように思う。人頭制歯科医療保証制度の限界なのかなとも思う。だから、日本の社会保障と日本の歯科医療はどこまで関わっていけるかを考えた日本独自のシステム構築が、益々必須であることは間違いない。

噛むことと人生に焦点を当てプレゼンしていただいた垣添医師の歯科への造詣は素晴らしいのだけれど、いったいこの国にどれだけのそういう医師がいるのだろうか。たとえば介護の現場の「摂食嚥下障害改善」一つをとっても、医師たちの協力無しではとうていなしえないハードルをいやと言うほど経験した。ペグをつける診断やプロトコルは存在するが、ペグを外したいと考える家族や歯科医師に対して、外すための診断の所在やプロトコルが存在しないことを氏は詳しく語ってくれた。医師たちの最後のワシらへのカード「おまえらに責任とれるのか?」は、医師たちがいかに歯科医療を理解していないか、、から来るのだと言うことはわかったが(6年間で半日分の授業しかないらしい)歯科医師側も目先のハウツーに振り回され、本当の医療の根幹を理解していないという決定的な過ちを犯しているのだ。

虫歯がなくなったら仕事がなくなるだろうと本気で言う医師たちに反論できずにいる歯科医師たちのなんと多い事かと驚く前に、それだけ見下されている本当の理由はわしら己の心の中にあることは間違いない。

やらなくてもいいかもしれない審美やレストレーションに振り回され、以前からそういうアメリカな商業主義的歯科医療に一石を投じてきたDr.Henry Takeiのお話は、できることなら目の前にDr.Denis Tがいて(笑)、徹底的にディスカッションしてほしいなぁと(笑)。これこそ、わしら65点の治療から100点の治療まで網羅できる日本のワシらだけの思考回路であることを再認識したそんな学会で、昨年はひどく酷評したが、ここ10年続いてきた「どんなもんだいすげーだろ」と自慢げに伝授するハウツーだらけだった本学会とは一線を画した企画を少し取り入れた事に対して大いに賞賛する物でアル。

ちなみに歯科医療の目指すべき総合書で当院の教科書的存在でもあるDr.SlavicekのMasticatory Organに続き昨年出版された3冊シリーズの本に出くわした。思わず買った。凄い高いがこれでいいのだ。青木先生、買ったからね(笑)。

ちなみに顎咬合学会のカキコは
2014年は http://dentalkuma.blogspot.jp/2014/06/blog-post_16.html
2015年は http://dentalkuma.blogspot.jp/2015/06/blog-post_28.html
ま、そのほかの年数も6月を見れば色々書いてる。時代の変遷を感じますね。



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